旬刊「経理情報」2019年7月1日号(No.1549)に 記事
『経理部門におけるIT環境の整備ポイント』
を寄稿しました。
経理部門における電子機器をはじめとしたIT環境の導入整備について解説しています。ご一読いただければ幸甚です。
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確定申告書類のうち、医療費控除の申告が合理化されていくようです。
医療費控除手続き簡素化 マイナンバー活用、21年分から
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO43797100W9A410C1MM8000/
【日経新聞1面】マイナンバー活用で本格的なデジタル社会構築へ
http://web.fisco.jp/FiscoPFApl/ThemeDetailWeb?thmId=0010320020190417002
すでに控除証明書類の提出省略など簡略化が図れていますが、医療機関との連携によって当局側で集計した医療費の金額を納税者が確認する、という仕組みに変わります。医療費は確定申告をする納税者の大半に関わってくるので、集計業務が合理化されるのは歓迎するべき動きといえます。
記事によれば
21年3月にマイナンバーカードを健康保険証として利用できるようにし、新システムでは保険診療のデータを持つ社会保険診療報酬支払基金と国民健康保険中央会のシステムを政府が運営する「マイナポータル」のシステムと繋ぎ、国税庁のシステムとも連携し医療費控除の申告を完全自動化する。
現在もネットを活用して申告できるが、医療機関名や支払った医療費、保険で補填される額などを自ら入力して書類を作成する必要がある。確定申告する際にはまず国税庁の申告書作成のサイトに入り、マイナンバーカードで個人認証する。「医療費通知」のボタンを押すと、1年分の医療費の合計額が一目で分かるようになる。控除の適用基準を超えていれば、そのままサイト上で申告できる。領収書を保存しておく必要もない。
http://web.fisco.jp/FiscoPFApl/ThemeDetailWeb?thmId=0010320020190417002
とのことなので、「マイナポータルとの連携」「マイナンバーカードの使用」は必須の要件になるのでしょう。マイナンバーカードに代えてID・パスワード方式の併用も可能になりつつあるなか、再びマイナンバーカードを必須とする動きと足並みが揃わないように思えますがそのあたりどうバランスをとるのでしょうか。
処理のネックになりそうなのは明らかに「マイナンバーカードによる個人認証」なので、この点無用に煩雑な仕組みにならないことを祈るばかりです。
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2020年4月1日以後に開始する事業年度より、大法人に対して電子申告が義務づけられることが予定されています。
大法人の電子申告の義務化の概要について
http://www.e-tax.nta.go.jp/hojin/gimuka/index.htm
適用対象となるのは「資本金等の額」が1億円超の法人ですので、大半の会社にとっては一見影響はなさそうです。電子申告の作業は会計ソフト側でデータが整備されていれば申告ソフト側で完結する面があるので、企業側にとっては書類が減ることを除けば電子申告のメリットはあまり実感できないでしょう。
さてこの話題、「提出書類が電子化されるのは結構なこと」と片付けられる話でもなく、多くの会社が直面していく「仕事のデジタル化」への壁という問題を孕んでいます。「仕事のデジタル化」とは書面での手続を前提とせず、デジタルデータに基づいて事務処理を完結させる考え方になります。
一方で税務手続に必要な書類が書面を前提としている以上はある程度「紙」による制約は仕方ないといえますが、それ以外の業務でも「紙」を前提とした業務フローにしているせいで非効率的なオペレーションになっていることはないでしょうか。
たとえば皆さんの会社ではこんな仕事の進め方をしていませんか?
これらは一例ですが、「紙」を前提とした業務フローに縛られているためにテクノロジーによる恩恵を限定的にしか受けることができない典型例です。「デジタル」→「紙」→「デジタルというフォーマット変換が入ることで余分な時間をかけることになり、生産性も下がります。
昨今ではデジタル書類やデータはそのままデジタルで処理が完結する業務フローが次々に整備され、世の中の主流になろうとしています。税務手続書類については道半ばですが、いずれデジタルを前提とした手続に収束していくでしょう。そのような時に旧来の「紙」を前提とした業務フローのままでいては、生産性低下や競争力低下につながることは容易に予想できます。
クラウドでのデータ一元管理やサービス活用をきっかけに、企業側も「仕事のデジタル化」を本気で取り組むべき時期が到来しています。「書類の電子化」という表面的な対応にとどまらず、「仕事のデジタル化」のために何するべきなのか、日々試行錯誤しながら改善を図っていく必要があろうかと思います。
※当事務所では「仕事のデジタル化」支援も行っております。詳細はこちら
謹啓
本日2019年4月1日をもって、当事務所は設立12周年を迎えました。
苦難な時期もありましたが、途中挫けることなくここまで続けることができたのは、ひとえにこれまでご支援させていただいたお客様と築き上げてきた信頼関係によるものと考える次第です。
また今日まで事務所の運営を支えてきてくれたスタッフに対しても深く感謝を申し上げたいと思います。
当事務所はこれまでと変わらず「会計「税務」「テクノロジー」の三本柱をサービスの軸として、今後もお客様のビジネスとともに益々の発展を目指して参ります。
何卒よろしくお願い申し上げます。
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確定申告シーズンをはじめとした繁忙期に追われて更新する時間がとれず、久々のエントリになります。
まもなく改元になり、新しい元号が使われることになるようです。2019年4月1日に新しい元号が発表され、2019年5月1日から施行されるとのこと。
個人的には元号の趣旨や制度設計そのものは批判しません。歴史や伝統に基づいた素晴らしい制度だと思いますし、催事や伝統行事などで積極的に使っていくのがよいと思います。また今回の改元でどんな元号が採用されるのか個人的にも非常に楽しみにしています。ですが、行政をはじめとした重要な業務手続やシステムにこの元号が取り込まれて業務運用の大前提となっていることは大きな問題があると考えています。日常的にも、和暦から西暦の読み替えに伴うあまり必要とは思えない時間が大量に費やされています。(個人的には西暦を使うこと自体にもあまり意義を感じませんが、実務面での利便性からは代替できる選択肢もないですね)
政府によれば今回は「施行1ヶ月前」からの公表に伴い約1ヶ月で改元対応のシステム改修を完了する想定でいるとのことです。スケジュールそのものもかなり無理がありますが、なによりも日本のローカルな制度で外国には全く影響のない仕様変更に多くのエンジニアの工数が割かれることは、消費税の軽減税率対応のシステム改修と並んで大きな社会的損失ではないかと危惧しています。
本件がシステム改修の特需やある種の雇用対策になるという見方もあります。 しかし2000年問題(古)や消費税導入(太古) のときとは異なり、我が国の就労人材はいまなお激減し続けています。このような状況下において、貴重な人的リソースを必要とする場面は他に数多くあるのではないかと思います。
本ブログでこのようなことを書いたところで大きな影響があるとは思えませんが、ささやかな抵抗を込めてしばらくは「仕事で和暦をなるべく使わない」ようにしてみようかと思います。具体的には
といった対応をとってみます。職掌柄和暦との親和性が高いのですが、どこまで壁にぶつかっていくのか検証してみたいと思います。(繰り返しになりますが、元号そのものには批判的な意見は持っておりません。和暦を制度設計に組み込むことの非効率を問題視しております)
和暦の使用については行政機関や金融機関は従来どおりの対応を求めてくることは容易に予想できますが、どこまで我々が我慢するのか(しなければいけないのか)思考実験も兼ねてしばらく続けてみましょうか。
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日立造船でのSAP S4/HANA導入が長引いて決算発表が延期されたそうです。
日立造船の決算発表延期、SAP最新版導入による影響
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO41307410V10C19A2000000/
2019 年3月期第3四半期決算短信公表の遅延に関するお知らせ(PDF)
http://www.hitachizosen.co.jp/2018Q3_chien0201.pdf
本事案のベンダーは日本IBM。記事によればデータの移行検証がトリガとなったようで、引当計上金額の「あるべき」金額が新システムの出力結果と合わず、(おそらくは見積工数のバッファも使い切って)延期という判断に踏み切ったようです。第3四半期決算短信の公表予定日を当初期限の2月15日から一ヶ月延長した3月14日に再設定しています。
S4/HANAはSAP社の次世代製品ラインですが、オンプレミスからクラウドに時代が推移してもシステム導入の苦労は今もなお続いているようです。最新の製品であれば新機能にまつわる不具合を完全に解消しきれていないこともあるのでしょう。
本事案についてはユーザー側もベンダー側も苦渋の選択の結果とは想像しますが、もとより会計システム(特に一般会計システムなど基幹系システム)及びそれらと連携する業務システムの構築にあたっては、経理業務固有の季節性が大きな制約になってしまうという悩ましい一面があります。
経理部門では定期的な制度会計イベントの制約があるため、実際の導入にかけられるユーザー側の工数には限界があり、実質的に本格的な対応時間を確保できる期間が限られます。しかも現業を抱えながらなので、確保できる工数もフルタイムというわけにはいきません。
3月決算法人の場合、制度会計のイベントは以下があります。(これらにまつわる外部監査対応を含みます)
また上場企業であれば、事業年度終了間際でのITインフラの大幅な変更は内部統制の再評価につながってしまうのでなるべく避けたいところです。そうなると2-3月もスケジュールとして確保するのは難しくなるので、プロジェクトにしっかり時間を割けるタイミングは
と非常に少なくなります(夏期休暇や年末年始とも重なるのでさらに少なくなりますね)。こういったスケジュールの制約のなかで、求められる品質を確保して業務システムを稼働させるのは非常に困難を伴います。また会計システムはさまざまな業務システムとのデータ連携が伴うため、連携機能および移行データの検証にかかる工数も膨大なものになるでしょう。またうまく構築やテストが完了しても、運用面でのトラブルが起きればシステム切替タイミングの区切りのよい3月末を逃してしまい、次のタイミングが半年後や一年後になってしまうこともあります。
本事案では厳しい選択となりましたが、それまでにかけた工数及び費用が水泡に帰すことのないよう、価値のあるシステムが完成してスムーズな運用にこぎつけられることを祈るばかりです。
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basecamp社(旧37signal)の経営陣が著者として名を連ねます。サービスとしてのbasecampを日常的に使っているのもあり、大変興味深く読みました。前著「小さなチーム、大きな仕事」と共通のテーマで、引き続き働くことのあり方について独自の視点を提示しています。basecampは2003年創立の企業で、世界各拠点で54人の従業員が働いているそう。
NO HARD WORK!: 無駄ゼロで結果を出すぼくらの働き方
原書のAudible版はこちらになります。原題は”It Doesn’t Have to Be Crazy at Work “なので、邦題はマイルドにした感じでしょうか。(本文中でも、crazyなのは仕事の在り方であって人のことは指していないと説明されています)
It Doesn’t Have to Be Crazy at Work (English Edition) Kindle版
Jason Fried (著), David Heinemeier Hansson
同社は「穏やかな会社」(カーム・カンパニー)を目指しており、具体的には表紙にも挙げられている以下のような特徴の会社であるようです。
basecampのメンバー自身が悩んだ、がむしゃらに時間をつかって人生を犠牲にするような働き方へのアンチテーゼとしてこのようなスタイルを提唱しています。ソフトウェア開発企業でありながら「外部の資金調達なし」「目標を設定しない」「週40時間以内労働にこだわる」「従業員の時間と集中力を最大限に守る」「仕事に携わる場所と時間にはこだわらない」といったスタイルはかなり異端と言えます。質問を受け付ける「開講時間」(オフィス・アワー)のアイデアは興味深いですし、給与交渉はせずに市場相場に基づく職種とレベルに基づいて基準賃金を支払うという考え方は非常に合理的です。
個人的にbasecampのヘビーユーザーとして思うのは、このような思想が同社が出しているサービスのあちこちに出てるなという点。チャットのように即応性を求めるコミュニケーションはとらないですし(基本はメールか掲示板)、人のカレンダーに予定を割り込む機能を実装していないのはちゃんと根拠がありました。実際、basecampで社内外のコミュニケーションを行っていて思うのは、(急かすような例外的状況は除き)自分の集中できる時間を確保できるよう工夫されているということ。
特にチャットは即応性があって非常に便利な反面、割かれる時間が多くまとまった知見を共有するには向いていないという特徴があります。このあたりはツールの使い分けが必要なのでしょう。本書でも提示されているようなに、即応性の必要なやりとりはチャットでやりつつ「考える時間ができて、ちゃんとした文書で書く機会がつくれるまで待てる内容」についてはそれに向いたツールを使うのがバランスがとれます。
basecampの追求する経営スタイルは短期的な成長を求めるベンチャーには定着しにくいでしょうが、従業員満足を追求しつつ安定成長を求める組織にとってはよいモデルケースになるのではないかと思います。「会社は製品であり、継続的に変化していかなければならない」という考え方には大いに賛同できます。
本書の欠点は、定量的なデータを示していないのでユニークな発想を観念的に提示するにとどまっているという点でしょうか。basecampでの成功例が汎用的に使えるテクニックであるという証拠は示されず、耳聞こえのよいメッセージがちりばめられていれていて非常に読みやすい反面読了後のストレスがあります。あと、文章の主語が常に「ぼくらは」「ぼくたちは」なのは子供じみていて嗜好に合いませんでした。「私は」「私たちは」でいいと思うのですが。
当事務所も継続的に人材を募集していますが、お互いがなるべく快適に働ける環境を追求していきたいとの思いから日々試行錯誤しております。
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サブスクリプションビジネスのこれまでと今後の展望についてコンパクトにまとまった一冊です。
サブスクリプションビジネスの考え方にはじまり、サブスクリプションエコノミーの台頭について、これもサブスクリプション企業として代表的なZuora(ズオラ)創業者が著者として名を連ねます。Zuora Japanの桑野社長が監修・翻訳を担当。
以下、amazon目次より
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第 I 部 サブスクリプション・エコノミーの到来
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第1章 製品中心から顧客中心へ――すべては顧客を知ることから始まる
第2章 小売業にまつわる誤解――古い「筋書き」を逆転させる
第3章 メディアの隆盛――新たな黄金時代の幕開け
第4章 飛行機、電車、自動車――サービスとしてのモビリティ
第5章 新聞・出版――かつて新聞を出していた会社
第6章 テクノロジー産業の復活――〝魚〟を飲み込め!
第7章 IoTと製造業の興亡――モノを売る時代は終わった
第8章 所有から利用へ――あらゆるビジネスに広がる成長機会
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第 II 部 サブスクリプション・モデルで成功をつかむ
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第9章 企業がサブスクリプション・モデルを選択するとき
第10章 イノベーション――永遠のベータ版にとどまれ
第11章 マーケティング――4つのPが変わった
第12章 営業――8つの新しい成長戦略
第13章 ファイナンス――新しいビジネスモデルの構造
第14章 IT――製品ではなくサブスクライバーを中心に置く
第15章 組織にサブスクリプション文化を根づかせる
巻末資料 サブスクリプション・エコノミー・インデックス
原注
索引
本書の前半部分は「オールドエコノミーからニューエコノミーに企業構造を変えようとしている」企業向けに書かれた内容で、既存ビジネスにおけるサブスクリプションモデルの台頭について語られます。サブスクリプションモデルへの大転換の成功事例として有名なAdobeの記述もあります。
後半のサブスクリプションモデルの説明のうち、第12章と第13章はわかりやすく収益モデルについてまとめられています。SaaSビジネスではおなじみのARR/Churn/ACV/Recurring Costs/Recurring Profit Marginについても解説があります。本章に出てくる「サブスクリプション・エコノミーの損益計算書」の説明は、内容的にはSalesforceのこちらのペーパーと重複しています(著者がSalesforce出身なので無理もないですが)。
SaaS スタートアップ 創業者向けガイド SaaS リーダーが伝えるコンセプト、 戦略、および戦術
サブスクリプションビジネスが世の中に爆発的に広がっている理由の一端を知ることができるでしょう。また巻末資料の「サブスクリプション・エコノミー・インデックス」(SEI)も興味深い記述が多いです。データは少し古いですが、マーケットを知る参考になります。
個人的には猫も杓子もサブスクリプションの時代になってしまったので、増殖するサブスクリプション契約を効率的に管理してくれるWebサービスが出現したらサブスクリプション料金を簡単に払ってしまいそうです。
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ラグビーとビジネスをからめたイベントが丸ビルで開催されたので行ってきました。
「MARUNOUCHI RUGBY FESTIVAL」4日目 15:00-16:30
RUG BIZ SHOW
ビジネスに効く! ラグビー流「心技体の鍛え方」
当日のスピーカーは
の3名という豪華メンバーで、2015年「エディ・ジャパン」のエピソードを中心にラグビーとビジネスの関わりやビジネスに使えるラグビーの学びについて語った90分でした。自分なりに学びになったポイントをメモします。
(大昔の)元プレイヤーとして思うこととしては、矢野さんが言っていたように多くの違う個性が集ってひとつのチームで一緒に戦うという点ではラグビーチームと立ち上げたばかりの小規模企業は相似する点が多く、各自が役割を自覚してうまく連携しないと成果には到達できないという点。スター選手がいてもチームプレイができなければいけないし、かといって個々のスキルが低くては全体でパフォームすることもできないということです。
スピーカーのお三方はそれぞれのフィールドで自分の役割をしっかり自覚して成果を最大化するために日々努力している点が共通していて、大きな学びを得た気がします。個人的には真壁選手には2019年「ジェイミー・ジャパン」でも代表選出してほしいと思います。
いわゆる「ルーティン」(プレ・パフォーマンス・ルーティン)については、荒木香織さんの著書「ラグビー日本代表を変えた「心の鍛え方」 」に詳しく書いてありますので参考にしてみてください。
余談ですが、RWC2019のチケットの一般先着販売が始まっているもののお目当てチケット(日本vsサモアなのですが)がどうしても入手できません。最後まで諦めずに頑張るつもりではありますがなんとかならないものかぶつぶつぶつ
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企業会計基準委員会(ASBJ)より、以下の文書が2019年1月16日に公表されました。
改正企業会計基準第21号「企業結合に関する会計基準」等の公表
前回の改正が2013(平成25)年9月13日ですので、約5年ぶりの改正になります。「結論の背景」によれば以下の改正が行われています。
本会計基準に係る条件付取得対価に関連して対価の一部が返還される場合の取扱いについて検討を求める提言がなされ、審議を行うこととなった。
https://www.asb.or.jp/jp/wp-content/uploads/20190116_02.pdf
検討の結果、平成31 年改正会計基準においては、条件付取得対価について、企業結合契約締結後の将来の特定の事象又は取引の結果に依存して、企業結合日後に追加的に交付される又は引き渡されるもののみでなく返還されるものも含まれる旨、及び将来の業績に依存する条件付取得対価について対価が返還される場合の会計処理を明確にする改正を行った。
https://www.asb.or.jp/jp/wp-content/uploads/20190116_02.pdf
具体的には「企業結合契約締結後の将来の業績に依存して返還される条件付取得対価について、対価の返還が確実となり、その時価が合理的に決定可能となった時点で、返還される対価の金額を取得原価から減額するとともに、のれんを減額する又は負ののれんを追加的に認識する」という処理になるようです。
適用時期については「平成31年4月1日以後開始する事業年度の期首以後実施される企業結合から将来にわたって」とあるので、さっそくこの4月から適用可能になりそうです。
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