勘定科目コードのあり方と財務報告機能について

日曜日 , 30, 6月 2024 勘定科目コードのあり方と財務報告機能について はコメントを受け付けていません

大変興味深いnoteのポストを拝見しました。

日本における会計ソフトの乱立状態を「クラウド会計対その他」の対立構造では説明ができないことを説明してみた

https://note.com/koganeman/n/n556dbf59f166

勘定科目コードは実務で日々触れているものでもありいろいろ思うところはあるので少しコメントしてみます。

同ポストでは会計ソフトの群雄割拠状態について

  • 科目コード必須型(鎖国系)
  • 科目コード不要型(グローバル系)

の2つの類型で説明します。鎖国系とグローバル系の分類は自分も近い認識ですが、実際はグローバル系(弥生会計、会計王、ジョブカン会計、MFクラウド、freeeなど)も科目コードが「不要」なわけではなく、勘定科目コードは実装されていますしユーザーによる入力も可能なので、厳密には利用者に科目コードを常に意識させるかさせないかの違いで

  • 鎖国系 科目コードを常に意識させる
  • グローバル系 科目コードを極力意識させない

といった類型になるように思えます(鎖国系の会計ソフトは残念ながら使用経験がないため、間違っていたらすみません)。

本ポストでも触れられているとおり、科目コードを意識させる/させないに関わらず、各社各様のコード体系で実装され、各社ごとにユーザーの囲い込みを目指しているのが現状なわけですが、このような構造に陥る要因として

  • 帳簿記録機能(bookkeeping)
  • 財務報告機能(financial reporting)

の2つが不可分に実装された結果としてソフト各社の縄張り争いに繋がっているのではないかと考えます。実際のところは「帳簿記録機能」は会計ソフト固有のものとして必須なのですが、「財務報告機能」は科目コードの違いを超えてコード体系を集約・連携することで実現できる機能(のはず)なので、この機能が会計ソフトから分離された連携機能として別に実装されていれば、ソフトの違いは吸収されて(日本基準に基づくという制約はありますが)どのような環境でも単一の財務報告は実現できるはず。

とはいえ会計ソフトから「財務報告機能」を分離してしまうと業務ソフトの機能として完結しないため、こういった事情が勘定科目コード不統一による群雄割拠構造を生んでいるように思われます。結果として、財務経理領域におけるDXの進展にどうしても限界があると解釈せざるを得ないのが現状です。

「財務報告機能」は「帳簿記録機能」と不可分に実装されるのでなく、帳簿記録機能の上位概念として実装されることで現在の混乱状態が解消されてスムーズな財務報告を実現できると考えますが、「財務報告機能」それ自体で提供することにビジネス価値があるかというと微妙ですし、会計ソフト開発会社が「財務報告機能」を切り出して標準化する動機付けは乏しいので、現在の構造を解決するにはまだまだ多くの時間がかかるようです。(実は数年前にこのエリアの実現可能性を検討した時期がありましたが、諸事情あって話が流れてしまいました。こういった話題にご興味ある方はぜひご連絡ください)


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