【確定申告】スマート申告は本当に”スマート”か?

木曜日 , 25, 10月 2018 【確定申告】スマート申告は本当に”スマート”か? はコメントを受け付けていません。

本年度分(平成29年)の確定申告より、スマートフォン等でも申告作業ができるようになるそうです。

スマホ × 確定申告 スマート申告始まります!(国税庁)

平成31年(2019年)1月から、「確定申告書等作成コーナー」が変わります

http://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/shinkoku/smart_shinkoku/index.htm

説明を見る限りは、納得できない箇所もいくつかありますが。

1 スマートフォン専用の画面をご利用いただけるようになります

イメージ画面を見る限りでは、スマートデバイスに最適化された画面遷移が用意される模様。「提出できるようになります」とは書いてないので、作成の最終段階までスマートフォン等で進めて、最後はPCで送信か印刷という使い分けでしょうか。

2 デザインが変わります

これはとても大事。使う気にならないデザインでは話になりません。

3 e-Taxの利用手続がより便利になります
e-Taxの送信方式について、「マイナンバーカード方式」と「ID・パスワード方式」の選択ができるようになります。

マイナンバーカードの浸透が不十分な状況への対応としてIDとパスワードで申告データを送信できるようになるそうです。マイナンバーカードの普及も袋小路に入った感があるので(誰も話題にしてないですし)これはこれで一歩前進なのですが、「ID・パスワード方式の届出完了通知」という書面を入手する仕組みとか、この書面を取得するために税務署に出向かなければいけないとかさまざまなトラップがあるので、マイナンバーカードの入手と手間はあまり変わらず同じ轍を踏むのではないかと不安になります。個人情報保護は大事なのですがもう少しなんとかならないものでしょうか。(ちなみにマイナンバーカードそれ自体は取得すれば行政手続でいろいろ便利なので、ぜひ取得することをおすすめします)

確定申告書等作成コーナーのウェブサイトはいろいろと利便性の悪い自治体サービスの中でもかなり使いやすく設計されているので淡く期待したいと思うものの、結局多くの納税者の方が大量の資料を抱えて税務署のPCで申告書を作成し、紙で提出するおなじみの光景が今年も主流になるのではないかと予想しています。

 

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平成30年分配偶者控除等申告書入力ファイル(Excel方眼紙)がいろいろ酷い

火曜日 , 16, 10月 2018 平成30年分配偶者控除等申告書入力ファイル(Excel方眼紙)がいろいろ酷い はコメントを受け付けていません。

次回の年末調整・確定申告より配偶者控除の仕組みが大きく変わりますが、それに先立って「配偶者控除等申告書」の様式が公表されております。

平成30年分 給与所得者の配偶者控除等申告書(入力用ファイル)

http://www.nta.go.jp/taxes/tetsuzuki/shinsei/annai/gensen/annai/1648_71_nyuryoku.htm

…いやな予感を感じつつ該当のExcelファイルを開いてみたら、案の定「Excel方眼紙」でした。(おすすめしませんが、興味のある方は該当ファイルを開いてみてください)

  • 大量の最小サイズセルを結合した入力フォーム
  • 印刷を前提にした(データ再加工を前提としない)紙を再現する様式
  • カーソルの移動で行や列が勝手に変わる

という、Excel方眼紙の要件(?)を全て満たしたすばらしい入力用ファイルでした(皮肉)。なおもうひとつの提出様式である「給与所得者の保険料控除申告書」の様式もExcelでなく入力可能なPDF形式でのみ提供されていて、いったい誰にどのような形式のデータを提出させたいのかがまったく理解できません。(おそらくは「納税者全員」に「紙」で提出させたいのでしょうか)

この書式が公開されることのメリットは果たしてどこにあるのでしょうか。納税者(従業員)は使いにくいシートをいやいや入力して提出し、とりまとめ担当者は再利用できないシートをすべて印刷して別途入力する羽目になり、関係者全員が不幸になるばかりかどこにも合理化の余地がありません。あえていえば「配偶者控除の金額を自動計算できる」のがメリットですが、逆に言えばそれ以外の入力データは再利用できないただのデータです(別途再入力が必要)。入力シート自体もパスワード保護されているため計算式を参照することもできず、このシートを入力後に再利用することは不可能です(計算ロジックは公開されているのに、計算式を隠すことを守りたいのか不明です)。結果的に「担当者ががんばって様式を作った」以外に何も価値がないと言っても過言ではなく、本様式が公表されること自体価値が感じられない「作業のための作業」だと判断します。

Excel方眼紙の何が悪いかは各所で語られるところですが、たとえば

  • プリンター環境の違いによる改行改ページ印刷出力の乱れ
  • 不完全なWYSIWYG
  • 目次機能の欠如
  • Excel方眼紙で作り込まれたワークシートを後から修正・変更をする手間入力自体がしにくい
  • 紙の様式に縛られているため入力データの再利用ができない
  • データの再利用という観点で準備することができない

などがあります。特にExcel方眼紙はスプレッドシートの機能をほとんど使わず紙の代替として使われることが多いため、入力したデータの加工や再利用がしにくいという点で致命的な欠陥があります。

改善案として以下のような対応が考えられます。

  • 紙様式での作成・提出にとらわれず、データの収集にフォーカスする
  • 入力フォームはExcelやPDFでなくWebフォームを使う
  • 入力データの集計の自動化を行う

バックオフィスの生産性向上や合理化が巷間で叫ばれるなか、年末調整業務はどうも合理化の方向には動かないようです。クラウドサービスで必要項目を画面から入力するようサポートする動きはありますがまだまだ主流とは言えません。結局、今年もお客様には「紙」に「手書き」での提出をお願いすることになりそうです。年末調整にしても確定申告にしても呪われたような「紙」の取り回し業務からそろそろ解放されたいところなのですが、このようなどん詰まりの状況はいつまで続くのでしょうか。

 

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【経理情報】『リスク対応や内部統制への影響は? 経理部門でテレワークを導入する勘所』を寄稿しました

木曜日 , 11, 10月 2018 【経理情報】『リスク対応や内部統制への影響は? 経理部門でテレワークを導入する勘所』を寄稿しました はコメントを受け付けていません。

旬刊「経理情報」2018年10月20日号(No.1526)に 記事

『リスク対応や内部統制への影響は? 経理部門でテレワークを導入する勘所』

を寄稿しました。

テレワークと内部統制の関係とユーザー企業の対応ポイントについて解説しています。

ご一読いただければ幸甚です。

 

公式サイト

http://www.keirijouhou.jp/

Facebookページ

https://www.facebook.com/%E6%97%AC%E5%88%8A%E7%B5%8C%E7%90%86%E6%83%85%E5%A0%B1-102995733171378/timeline/

 

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業務時間外メールを制限すれば生産性は上がる?

月曜日 , 8, 10月 2018 業務時間外メールを制限すれば生産性は上がる? はコメントを受け付けていません。

三連休の終わりということで、休日のメール対応についての話題です。

この連休中にも仕事関連のメールを何通か受信したのですが、返信は休み明けにすることにしています。業務時間外に受診したメールについては緊急時を除いて暦上の休日には返信しないようにする自分ルールによるものです。このようにしている理由としては

  • 曜日や時間を問わず返信すると、送信者と受信者でお互いメール合戦になり際限がなくなるため歯止めが必要
  • 送信者側から「いつでも対応してもらえる」といった必要以上に高い期待値を持たれないようにする
  • もともと休日時間帯に返信する必要性が出るほどの緊急度が高い仕事をしない(ように調整している)

というもので、長年の試行錯誤でこのような方法に落ち着きました。もちろん緊急度が高い場合は別で、その場合は曜日時間帯関係なく速やかに返信しております。

さて、業務メールという話題ではこんなニュースが流れてきました。

日本人には合わない? フランスに続きNYも協議する「勤務時間外メール禁止法」

https://web.smartnews.com/articles/fhv2mdnX4h3

週末は送受信させないなど、勤務時間外は業務メールの使用を制限する試みです。物理的にメール送受信を禁止することで、必要のない過剰労働を削減することを目指しています。もっとも経営レベルではこういった取り決めにはあまり意味がなく、必要であれば24h/365dでの対応は必須ですので、あくまで従業員レベルでの過剰労働防止の施策として検討するべきテーマかと思われます。(そういえばいくつかの大手監査法人では深夜と週末にメールサーバを物理的に停止しているとききましたが、実務で混乱は起きてないののでしょうか)

思うに、おそらくこのような制度を従来型の労働スタイルをとる日本企業で導入してもなんだかんだと理由をつけて

  • 「業務用」メールが使えないので「個人用」メールでやりとりする
  • 「電子メール」が使えないので「携帯メールで」やりとりする

といった抜け道を探すといった結果になるのが容易に想像できます(業務用のメールシステムが普及する過渡期において、個人使用のメールアドレスが代替手段として広く利用されていたのは記憶に新しいところです)。結局のところ、メールの使用を制限するという表面的な部分よりも、「業務時間内の過ごし方」「仕事の指示」「成果の評価」といった勤務スタイルの問題を解決しなければ、生産性の根本的な改善にはつながらないように思います。

 

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Asia Pacific CACS 2018に行ってきました

水曜日 , 26, 9月 2018 Asia Pacific CACS 2018に行ってきました はコメントを受け付けていません。

2018.09.19-21にバンコクで開催されたISACA(Information Systems Audit and Control Association) Bangkok Chapter主催のイベント “Asia Pacific Computer Audit, Control and Security 2018″(Asia Pacific CACS 2918)に参加してきました。年4回程度世界中で開催されていて、アジアではバンコクでの開催になります。

https://asiacacs2018.org/?cid=edmi_1231972

どういったイベントかというと、

The conference will cover topics such as Information System Audit & Assurance, IT Security & Cybersecurity, GRC and COBIT 5, Innovation and Emerging Technology, and Panel Discussion on General Data Protection Regulation (GDPR). We invite reputable, honorable speakers from all over the world to contribute their knowledges and experiences in this event. The event shall be conducted in English and the materials distributed in the event will be in English.

The theme of Asia Pacific CACS 2018 Conference is “Governance 4.0: Connected, Security and Privacy” reflecting the emerging significant governance issues concerning security and privacy in the connected digital business. The primary purpose of the ASIA Pacific CACS is to enable regional and international Information Systems researchers and practitioners to meet in an annual forum that maximizes the opportunity for the exchange of information and insights as well as for networking. Our audience includes executives, management and professionals in Strategy /Governance, Risk Management, Security, Audit/Assurance, Compliance.

といった内容で、IT監査・ITガバナンス・コンプライアンス・サイバーセキュリティが主なキーワードになります。特に昨今のテクノロジーの劇的な変化がこれらの領域にどれだけのインパクトを与えるかという点に興味を持ち、ワークショップも含めて参加してみました。

結論から書くと非常に良い刺激を受けました。実例が多く紹介されることも含め、「AI」「Robot」「IoT」といった最近のターミノロジーがどのように今後広がり、業務に影響を与えていくのか、そのリスクはどういったものかを多様なバックグラウンドを持ったスピーカーが話してくれて退屈させられません。

ワークショップは「Adopting GDPR Using COBIT 5」というタイトルで、最近ホットなGDPR(EU General Data Protection Regulation)に対して、COBIT 5のアプローチをどのように”adapt or adopt”していくのかという、非常にホットな内容です。ファシリテーターのTichaona Zororoさんは熱量の高いスピーチとかみ砕いた丁寧な説明で、知識面で出遅れがちだった私もなんとかついていくことができました。

こちらがTichaona Zororoさん。Auditing and Governance of Social Mediaというテーマでのプレゼンです。時々踊りながらしゃべるのがかわいい。

技術革新は想像以上のスピードで既存の仕事のスタイルや領域に影響を与えており、10年前の常識はすでの通用せず5年後には新しい常識が生まれている、そんなスピード感です。例によってどのセッションでも「AIが我々(IT Auditor/IT Governance Professional)の仕事を奪うのか」という視点でのプレゼンテーションが非常に多く、スピーカーのどなたかの発言にあった

Repetitive and structured tasks are no more value from a professional perspective.

というフレーズが印象に残りました。このイベントは非常に情報量が多く消化しきれてないのが正直なところで、今後の仕事に落とし込んでいかなければならないのですが、いずれにしても我々の仕事の領域では”unstructured tasks”に今後生き残るためのヒントがありそうです。

 

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経理業務に最適なIT環境とは?

火曜日 , 4, 9月 2018 経理業務に最適なIT環境とは? はコメントを受け付けていません。

経理業務を日々進めるうえでIT環境の整備は不可欠なわけですが、どういった環境が最適なのかは日々試行錯誤の連続です。

経理業務の特性として

  • 常に画面に集中して作業するわけでなく、必要に応じて紙の書類を閲覧する場面が多い
  • 社内でコミュニケーションをとるときに画面や書類をその場で見せなければいけないことが多い
  • デスク以外での業務も意外に多い(棚卸など)

といった特徴があるので、これらを踏まえての環境作りが求められます。

  • ノートブックPCのみ

多くの企業はこの形態でしょう。作業そのものには支障はないですが、資料を見ながら仕訳を入力したりといった場面でときどきストレスを感じそうな環境です。

  • ノートブックPC+外付モニタ

いわゆるマルチモニタ環境です。モニタは広ければ広いほど、多く使えれば使えるほど生産性は高いので、ノートPCの制限された画面内の作業に比べて利便性は上がるでしょう。特に資料を見ながらの入力作業が非常に効率的に行うことができます。

  • デスクトップPC+タブレット

デスク作業に集中できる環境に加え、必要に応じてデータをタブレットで参照することができます。人に見せたり社内を動き回ったりするときには威力を発揮しそうです。

  • ノートブックPC(大きめ)+タブレット

普段はデスク作業に集中でき、必要に応じて持ち歩くこともできます。タブレットで資料を閲覧しつつ入力作業に集中することもできるし、必要に応じてタブレットで証憑書類の撮影保存もできるので、今のところこれが最適な環境に思えます。(ノートブックは15インチサイズでテンキー付属のモデルだとより快適)

もっとも、こういった作業環境を活用するためには「証憑など業務データが電子化されていること」「業務データが一元管理されていること」といった環境面もクリアしておく必要があります。特に「紙の証憑書類」がボトルネックになるため、それらをスキャンして電子データに変換し、社内サーバやクラウドで一元管理するといった運用が不可欠になります。

ちなみに弊事務所の場合は以下のような環境で運用しております。

  • スキャナを常時稼働できる状態にして紙資料が滞留しないようにする
  • 証憑書類は原則として電子化して一元管理する
  • 業務データは機密性の高いものは社内サーバに、低いものはクラウドに保管する
  • デスクトップPCは2台にそれぞれ別モニタを接続する(PC2台、モニタ2台)
  • デスクトップAはマシンパワーが求められる作業(会計ソフトなどDBMSが動作する環境)に使う
  • デスクトップBはそれほどマシンパワーが求められない作業(執筆や日常コミュニケーションなど)に使う
  • ノートブックPCは外出作業用で、データはクラウドで共有する
  • Mouse without Bordersでキーボードとマウスは1種類に統一し、モニタ間のシームレスな移動を実現する(キーボードとマウスからなるべく手を移動しないのがポイントになります)

環境としてはそこそこ快適なものの紙証憑がボトルネックになり劇的な率化を実現できているとはいえません。より効率を高めるために、最適な作業環境を追求する日々が続きそうです。

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リモートワーク vs 経理業務

金曜日 , 31, 8月 2018 リモートワーク vs 経理業務 はコメントを受け付けていません。

現在進めている仕事で、主に上場企業での経理業務のリモートワーク実施状況について調べています。しかし、経費精算のような現場からの申請と承認は普及していても、経理業務そのものがリモートワーク主体で運用されている事例はあまり見ることがありません。(あるとは思いますが)

よく話題になる営業・企画・開発業務のリモートワークと異なり、経理業務はリモートワークと親和性が低いと思われる点がいくつかあります。少し考えつくだけでも

  • 会計仕訳をとりまく複雑な判断を要する作業がリモートワークにあまり向いていない
  • リモートワークによる達成度評価を客観的に行いにくい(入力した仕訳の数だけでは評価できない)
  • 機密性の高いデータを扱うため、外出先や自宅で作業をすること自体がなじまない
  • 全社的な観点で記録される会計データは、分散管理より集中管理が相性がよさそう

といった点があります。特に会計データがこれまで集中管理されてきた歴史を踏まえると会計記録の分散管理という思考そのものがなじめないのかもしれません。もっともこれまでオンプレミスで管理されていた会計データが10年単位の時間を経て普通にクラウド上で取り回されるようになった状況を考えると、さらに常識は変化していきオペレーションの設計次第では経理業務の分散管理も容易に実現できるようになるのでしょう。

ブロックチェーンによる分散管理がなにかと話題ですが、個人的には現段階で総勘定元帳をとりまく会計記録にブロックチェーンが当てはまる気がしません。ブロックチェーンによる分散台帳が広く普及したとして、それらをどう運用するかというルール作りはさらに時間を要するでしょうし、実務の現場では試行錯誤が続く気がしております。

 

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【企業会計】『AIを使いこなす: 経理をデータサイエンスに!』を寄稿しました

木曜日 , 9, 8月 2018 【企業会計】『AIを使いこなす: 経理をデータサイエンスに!』を寄稿しました はコメントを受け付けていません。

旬刊「企業会計」2018年9月号のコラム「解題深書」に

『AIを使いこなす: 経理をデータサイエンスに!」

を寄稿しました。

財務経理業務でのAIの活用という観点から、参考になる書籍をご紹介しております。ご一読いただければ幸甚です。

 

公式サイト

http://www.chuokeizai.co.jp/acc/

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法人設立手続のワンストップ化はどこまで本気?

火曜日 , 10, 7月 2018 法人設立手続のワンストップ化はどこまで本気? はコメントを受け付けていません。

週刊「税務通信」NO.3544の記事より。

2018年6月15日に公表された「未来投資戦略2018」では「従業員の社会保険・税手続の簡便化」を検討しているそうです。

https://www.kantei.go.jp/jp/singi/keizaisaisei/pdf/miraitousi2018_zentai.pdf

施策てんこもりといったボリュームで非常に意欲的な内容ですが、興味を惹いたトピックはこちらです。(太字下線は筆者)

①個人向けワンストップサービスの実現
・個別手続のみに着目した従来の「縦割り」型のオンライン化から脱却し、徹底した利用者視点に立ち、多くの国民の生活に大きな影響のある個人向け行政手続等のワンストップ化を強力に推進する。
・具体的には、同じ内容について複数の異なる窓口での手続を強いられている「引越し」や「死亡・相続」については、それぞれ来年度から、「介護」については本年度から順次サービスを開始する。
・自動車保有関係手続に関するワンストップ化を充実・拡充するため、自動車検査証の電子化の推進、引越しワンストップサービス等との連携、軽自動車保有関係手続のワンストップ化に取り組む。
②法人向けワンストップサービスの実現
・世界最高水準の起業環境を実現するために、法人設立手続のオンライン・ワンストップ化を行うこととし、以下の事項に取り組むとともに、定期的に取組状況を検証し、平成33年度目途で見直しを行い、必要な措置を講ずる。
マイナポータルを活用した法人設立手続のオンライン・ワンストップ化に向けて、技術的検討と準備を開始し、登記後の手続のワンストップ化は来年度中、定款認証及び設立登記を含めた全手続のワンストップ化は平成32年度中に実現する。
オンラインによる法人設立登記の24時間以内の処理及び世界最高水準の適正迅速処理を目指した業務の徹底的な電子化の来年度中の実現に向け、法務省は本年度実施予定の登記情報システム更改で業務効率化施策を実施するとともに、登記の審査の効率化等について本年度中に対応策の結論を得る。
-株式会社の設立手続に関し、一定の条件の下、本年度中にテレビ電話等による定款認証を可能とし、平成32年度中に、定款認証及び設立登記のオンライン同時申請を対象に、24時間以内に設立登記が完了する取組を全国実施する。今後とも、より効果的かつ効率的な定款認証手続の実現及び利便性の向上に努める。
-法人設立登記における印鑑届出の任意化の平成32年度中の実現に向けて、法務省は来年中の商業登記法改正に向けて取り組むとともに、商業登記電子証明書の普及促進も含めて、システム改修等の実施に必要な準備を進める。
・規制改革推進会議の「行政手続コスト削減のための基本計画」に基づき、国税・地方税・社会保険の手続について簡素化、オンライン化、ワンストップ化の取組を進める。
・企業が行う従業員の社会保険・税手続について、ライフイベントに伴う手続のオンライン・ワンストップ化を平成32年度から順次開始するとともに、企業と行政機関のデータ連携を実現する方向性を本年度にまとめ、以降順次、実現に向け取り組む。
・法人インフォメーションや法人共通認証基盤を活用した補助金・規制手続のワンストップ化について、来年度中にシステム化に着手し、平成32年度から政府全体で活用できる環境を目指す。

大きく分けて「定款認証」「登記申請」「登記後手続」について順次ワンストップ化を進め、最終的には全手続をワンストップ化するとのこと。定款認証から登記完了まで24時間以内に実現すれば現状の7-14日よりは大幅な前進になりますが、仕組みをうまく構築できるでしょうか。印鑑届出はもはや行政手続のボトルネックでしかないので、電子証明書などによる本人認証を徹底する方向で動いてもらえればと思います。

従業員の社会保険・税手続のワンストップ化においては、企業側と行政側がそれぞれ別々にデータを運用していては機能しないので、データは原則としてクラウドに保存し、一定の要件のもとに本人の了解を得る手続きを経て行政側がデータにアクセスする仕組みを構築するしかないと思いますが、プラットフォームのコスト負担をどう考えるかといった点をはじめ課題がいくつもあります。e-Taxのように行政本位でユーザーの利便性ゼロの仕組みをまた一から作るといった展開は勘弁願いたいところです。

ともあれ、文書を俯瞰する限りはかなり本気度を感じますので、単なる作文ではなく実効性をもった仕組みをもって運用されることを淡く期待したいと思います。

 

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「よろず相談される専門家」への道は長い

月曜日 , 2, 7月 2018 「よろず相談される専門家」への道は長い はコメントを受け付けていません。

今回は軽い話題です。

関与先となっているクライアントとは定期的にミーティングを行いますが、ここ最近のミーティングで本題とは別に「実は…」と切り出されることがたまたま続きました。会計・税務のミーティングの延長で必然的にお金がらみの相談になるわけですが、普通ならば話しにくいご自身やその周辺のお金の事情を包み隠さず話してくれる程度に信頼関係を築くことができたように思えて少し安心した次第です。(一昔前だとお客様に身内の縁談の相談をされて一人前、と言う時代もあったようですが、残念ながらそのような相談は受けたことがありません)

考えてみると、内容に関係なく何でも相談してもらえる「よろず相談窓口」というのはお客様との関係としてはある意味理想的と言えます。もちろんこちらの専門外のご相談もあるのでその場合は適切な方とつなぐことになるわけですが、そういったネットワークや自分の専門性も含めて大事なことを話せる相談相手とお客様が考えてくださり、包み隠さずなんでも話してくれるところまで信頼していただけるようになってきたというのは非常にありがたいことです。短期間でこのような関係を築くのは難しいですが、日々できることをしっかり行ってお客様をサポートしていくことでしか到達できないと感じます。専門性も大事なのですが、お客様との関係においてはさらに一歩踏み込んだものが必要になります。

「XXコンサルタント」「XX士」という肩書はさておき、「よろず相談」の相手としてもらえる間口の広さとしての価値と、本来自分が持つべき「専門性」の価値をうまくバランスさせて、お客様に高い価値を感じ取っていただけるように今後も精進していく必要があります。独立して何年経っても学ぶべきことはまだまだ多くあるなと感じたこの頃でした。

 

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