新年明けましておめでとうございます。
本年もどうぞよろしくお願いいたします。
2024年はコロナ禍の状況からすっかり元通りになったと思いきや、少し油断すると感染症に罹患しかねないため依然として気の抜けない一年だったと実感します。テレワーク(リモートワーク)スタイルから出社スタイルに仕事の環境が変わっていく動きが徐々に出てきましたが、オンラインとオフラインの長所をうまく組み合わせて生産性を高めるため、事業者各社とも引き続き模索しているように見受けられます。
2025年はさらに新たな事業領域への展開を進め、実績を積み重ね、クライアントの成長に確実に貢献していくことにフォーカスし続けます。メンバー一丸となって本年も邁進して参りますので、今年もどうぞよろしくお願い申し上げます。
クレタ・アソシエイツ 原幹公認会計士事務所 代表
公認会計士/税理士/公認情報システム監査人(CISA)/公認不正検査士(CFE)
原 幹
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年の瀬のなか、CGEIT認定式を受験しまして無事合格することができました。
今後の参考として記録を残しておきます。
CGEIT(Certified in the Governance of Enterprise IT)資格はITガバナンスの専門家を認定する国際資格です。ISACAのサイトでは以下のように説明されています。
https://isaca.gr.jp/cgeit/index.html
CGEIT(Certified in the Governance of Enterprise IT)資格は、ITガバナンスの原理や実践に豊富な知識と経験を持つ専門家向けに2008年にISACAによって創設されました。日本語では「公認ITガバナンス専門家」と称します。ISACAの CGEITは、特定のフレームワークにとらわれない、ITガバナンスに関する個人向けの唯一の資格です。CGEIT資格を持つことで、組織にとって信頼できるアドバイザーの役割を果たすことができます。
CGEITの認定を受けるには
といった条件があります。
認定試験は英語または中国語での受験となり、4時間の選択式問題150問です。Scaled Scoreで200-800のうち、450以上を獲得すれば合格になります。
認定試験の準備は他のISACA認定資格と同じように、レビューマニュアルと問題集の併用で学習していくことになります。
CGEIT Questions, Answers & Explanations Database
オンラインの問題集です。300問のサンプルテストを解くことができます。2種類の模擬テスト(300問と150問)が含まれます。
CGEIT Review Manual, 8th Edition
いわゆるレビューマニュアルです。デジタル版と書籍版があります。
実は2012年頃にも受験を試みて見事撃沈した黒歴史があるのですが、そのときと現在とでは試験ドメインの見直しが図られています。現在の試験ドメインは4つです。
ドメイン1 事業体におけるITのガバナンス:Governance of Enterprise IT(40%)
ドメイン2 ITリソース:IT Resources(15%)
ドメイン3 メリットの実現:Benefits Realization(26%)
ドメイン4 リスクの最適化:Risk Optimization(19%)
試験対策としては基本的に「問題を解く」「レビューマニュアルの解説で復習する」の繰り返しで、2種類の模擬テストで実力値を定期的にチェックするという流れになります。サンプルテストの暗記はあまり意味がなく、「各ドメインの知識をしっかり理解しているか」「実務経験を踏まえてケースに合わせた判断ができるか」を試す試験ですので、レビューマニュアルを元に自分で理解を深めていく必要があります。
自分の場合は7月頃から資料を集めてぼちぼち勉強を始めましたが、10月頃にいったんモチベーションが下がりまして、ちゃんと受験することに決めたのは11月中旬でした。そこからは平日だいたい1時間、土日は3-4時間のペースで勉強して12/19に本番に臨みました。この時期は繁忙期で本業も忙しく、どたばたしておりました。Studyplusでの記録によると、トータルで70-80時間を準備に充てていたようです。
余談ですが、レビューマニュアルを最初はデジタル版で読んでいたのですが、アンダーラインやブックマー機能があるもののなかなか頭に入らない。古い世代なもので。ゆえに、途中からは書籍版を追加で入手して鉛筆でハイライトする旧来のスタイルに戻りました。これだよこれ。アナログに戻してからは格段に理解が深まりました。
問題集も書籍版は入手しましたがこちらはオンライン版が格段に便利です。不正解領域の正答率や苦手傾向が数値化されるので、苦手部分を中心に学習していくことができます。Scaled Scoreをクリアする水準がどの程度かは非公表なのでなんともですが、体感で7-8割を正解すれば合格圏内に行けそうです。
認定試験はテスト会場またはリモート試験で受験することができます。他の試験で何度かリモート受験を試しましたが、自室をカメラでチェックするとか本人認証とか非常に煩雑なので今回は会場受験にしました。会場では本人確認後は専用の受験ルームに案内されるので非常にスムーズに受験することができます。当日にストレスなく受験したい場合はテスト会場に行くのがおすすめ。
試験の内容については規約により口外できないため概略での感想になりますが、ISACAの試験全般に言えることとして「暗記がほとんど通用しない」「レビューマニュアルをとにかく読み込む」「読み込んだうえで本試験で思考して解く」必要があり、試験時間も4時間と長時間なので非常に消耗します。途中でトイレ休憩もとれますがその間も時計は回っているので、時間効率を考えて解く必要があります。個人的には、画面に時計が表示されないため現在時刻がまったくわからないのが地味にストレスでした。(腕時計は持ち込み禁止)
自分の場合は4時間の時間配分をこんな感じで使い、余ることなく4時間すべてを使い切りました。
後半2時間の集中力と体力をどうコントロールするかがポイントになると思います。
終了直後に合否判定が画面に表示されます。どきどきする瞬間ですが結果はPASSで一安心。Scaled Scoreは後日メールでお知らせされるようです。
現在の仕事に直結する知識なので頭の整理のためと、10数年前の失敗体験になんとか区切りを付けるために受験しましたが、結果が出てよかったです。せっかくなのでCertificateは取得して今後の仕事に生かしていく予定です。CPEの対象がまた増えることになりますがこれはがんばるしかないですね。
そんなわけで、ITガバナンス領域(IT監査/ITレビュー/ガバナンス支援)のお仕事を引き続き募集しておりますので、お気軽にお問い合わせください。
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「企業会計」2024年9月号の【時事解説】に
「システム障害発生時の会計・開示のポイント」
を寄稿しました。
近年頻発するシステム障害事案において、会計処理や開示への影響を事例を交えて解説しております。ぜひご一読ください!
「企業会計」公式サイト
http://www.chuokeizai.co.jp/acc/
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大変興味深いnoteのポストを拝見しました。
日本における会計ソフトの乱立状態を「クラウド会計対その他」の対立構造では説明ができないことを説明してみた
https://note.com/koganeman/n/n556dbf59f166
勘定科目コードは実務で日々触れているものでもありいろいろ思うところはあるので少しコメントしてみます。
同ポストでは会計ソフトの群雄割拠状態について
の2つの類型で説明します。鎖国系とグローバル系の分類は自分も近い認識ですが、実際はグローバル系(弥生会計、会計王、ジョブカン会計、MFクラウド、freeeなど)も科目コードが「不要」なわけではなく、勘定科目コードは実装されていますしユーザーによる入力も可能なので、厳密には利用者に科目コードを常に意識させるかさせないかの違いで
といった類型になるように思えます(鎖国系の会計ソフトは残念ながら使用経験がないため、間違っていたらすみません)。
本ポストでも触れられているとおり、科目コードを意識させる/させないに関わらず、各社各様のコード体系で実装され、各社ごとにユーザーの囲い込みを目指しているのが現状なわけですが、このような構造に陥る要因として
の2つが不可分に実装された結果としてソフト各社の縄張り争いに繋がっているのではないかと考えます。実際のところは「帳簿記録機能」は会計ソフト固有のものとして必須なのですが、「財務報告機能」は科目コードの違いを超えてコード体系を集約・連携することで実現できる機能(のはず)なので、この機能が会計ソフトから分離された連携機能として別に実装されていれば、ソフトの違いは吸収されて(日本基準に基づくという制約はありますが)どのような環境でも単一の財務報告は実現できるはず。
とはいえ会計ソフトから「財務報告機能」を分離してしまうと業務ソフトの機能として完結しないため、こういった事情が勘定科目コード不統一による群雄割拠構造を生んでいるように思われます。結果として、財務経理領域におけるDXの進展にどうしても限界があると解釈せざるを得ないのが現状です。
「財務報告機能」は「帳簿記録機能」と不可分に実装されるのでなく、帳簿記録機能の上位概念として実装されることで現在の混乱状態が解消されてスムーズな財務報告を実現できると考えますが、「財務報告機能」それ自体で提供することにビジネス価値があるかというと微妙ですし、会計ソフト開発会社が「財務報告機能」を切り出して標準化する動機付けは乏しいので、現在の構造を解決するにはまだまだ多くの時間がかかるようです。(実は数年前にこのエリアの実現可能性を検討した時期がありましたが、諸事情あって話が流れてしまいました。こういった話題にご興味ある方はぜひご連絡ください)
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旬刊「経理情報」5月1日号(通巻No.1709)に寄稿した
『実務解説「親子会社間で会計ソフトが異なる際の照合差額の検証」』
が掲載されました。定期購読雑誌ですが、バックナンバーの購入も可能です。
連結会計業務における照合差額の効率化というニッチなテーマで書いておりますが、ご笑覧いただければ幸いです。
経理情報(公式)
https://www.keirijouhou.jp/index.html
バックナンバー(最新ニュース閲覧、見本誌請求などが可能です)
https://www.keirijouhou.jp/bn_new/1709.html
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2024/02/08に丸善リサーチさん主催のウェビナーに登壇しました。
アーカイブ動画が公開されましたので共有いたします。
↓のエントリをきっかけに登壇させていただいたわけですが、テレワークや丸善リサーチに興味を持たれるきっかけになればと思います。どうぞよろしくお願いいたします。
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明けましておめでとうございます。
本年もどうぞよろしくお願いいたします。
2023年は新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の感染拡大が収束に向かいつつも、社会が元の状態を取り戻すのに時間を要しました。従来どおりの感染対策を意識していても実際罹患してしまいましたし、油断のならない一年であったと実感しました。
テレワーク(リモートワーク)スタイルと出社スタイルの使い分けについては、企業によって活用方針がくっきり分かれていったようです。ハイブリッドワーカーのスタイルが存在感を示すなか、働きやすい環境作りが人材採用にも直接の影響を及ぼしてきました。テレワークの是非も含め、より働きやすい環境を用意するのが経営者サイドに問われ続けていくと思われます。
2024年も気を引き締めつつ新たな取組みを進め、実績を挙げて、自社やクライアントの成長に確実に結びつけていくことにフォーカスしていきます。弊事務所は引き続きクライアントの成長に寄り添いつつ、その成長に向けてさまざまな施策を講じていきます。個人としても、引き続きスキルの向上に精進したいと思います。
また私事になりますが自宅を13年ぶりに移転しました。お世話になった方々には連絡先を個別にお伝えしておりますが、引き続きご厚誼いただけますと幸いです。
弊事務所メンバー一丸となって本年も邁進して参ります。どうぞよろしくお願い申し上げます。
クレタ・アソシエイツ 原幹公認会計士事務所 代表
公認会計士・税理士・公認情報システム監査人(CISA)・公認不正検査士(CFE)
原 幹
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2024年(令和06年)12月までの税務カレンダー(Googleカレンダー形式)を更新しましたのでお知らせします。
PC/スマホ/タブレット等でご利用ください。更新内容は以下のとおりです。
基本的に毎年同じイベントですが、休日による変動を調整しています。
表示イメージは以下のとおりです。項目をクリックすると詳細が表示されます。カレンダー右下の「+」ボタンを押して、ご自分のカレンダーに追加することもできます。ご利用は自己責任にてお願いいたします。
https://calendar.google.com/calendar/embed?src=harakancpa.com_2qhjtrecvq75rb5rjed2nlfnfo%40group.calendar.google.com&ctz=Asia%2FTokyoカレンダーのURLはこちらです。Google Chromeを推奨しますが、環境によっては見えないことがあります。うまく表示できない場合はブラウザでコピー&ペーストしてください。
https://calendar.google.com/calendar/embed?src=harakancpa.com_2qhjtrecvq75rb5rjed2nlfnfo%40group.calendar.google.com&ctz=Asia%2FTokyo2023年はインボイス制度の適用に伴い混乱の年末を迎える展開になりました。依然として政情不安や為替の不安定など混沌とした一年だったと感じます。
2024年は改正電子帳簿保存法の本格適用やインボイス制度による初年度の税務申告を迎えます。企業側でそれらの対応に追われる日々は続くものと予想されます。
経理・財務・税務領域のデジタル化やAIの進化を受け、私たちの仕事も変革を迎えます。クライアントのニーズを適切に満たすことができるよう私たちも日々研鑽し、本業にフォーカスするクライアントのみなさまをこれまで以上に引き続きご支援して参ります。
以上、本年最後の投稿になります。
2023年も大変お世話になりました。来年もみなさまにとって良い一年でありますように。
当事務所へのお問い合わせはこちらまで。カレンダーへのご要望もお待ちしております。
丸善リサーチがなかなかいけてます。
丸善リサーチとは
「会計税務の書籍・雑誌がオンラインで読み放題、的確な税務判断を支援する数百冊の書籍や雑誌を掲載」とのことで、会計・税務領域の横断検索サービスです。同業者の間でも評判が良いですね。
https://tax.maruzen-research.jp/
書籍については最新刊まではカバーしていないものの、近刊のカバレッジがなかなか高く、弊事務所で買い置きした積ん読専門書たちが早々にカバーされておりました。
こんなことができた
ざっくりこんなことができます。
キーワード「税務調査」→「書籍」「目次」で132件ヒット。最新刊行は2022年9月
キーワード「組織再編」→「書籍」「本文」で124件ヒット。最新刊行は2023年9月
キーワード「ベンチャー」→「書籍」「本文」で6件ヒット。最新刊行は2023年1月
「読む」→本文のページを開く
「書籍内検索」→関連キーワードをハイライトしつつ開く
「プレビュー」→検索結果を表示しつつ書籍内検索結果を開く(一番便利)
リサーチのアプローチが変化した
さて、このように便利なサービスが出てくるとリサーチのアプローチも自ずと変化していくことになります。たとえば、最近まではもっぱらこんな方法でした。
ネットでキーワード検索
→書籍を検索
→購入
そのうちこんな感じになりました。
ChatGPTで当たりをつける
→書籍を検索
→購入
今はこんな感じでリサーチしております。
ChatGPTで当たりをつける
→丸善リサーチで横断検索
→該当書籍で解答が得られれば終了、得られなければ近刊書籍を検索
→購入
よくよく考えてみれば、リサーチはなんらかの「解答」を求めて行う動作なので、ほしい情報に到達できれば書籍の体裁をとるかどうかは重要ではなかったりします。とはいえそれでは書籍の著者が発刊するモチベーションが低くなってしまうので、新刊の存在価値が低下することは当面はなさそうです。
というわけで、無料モニタリングの期間も終了し、12月から丸善リサーチが有料化(3,500円/月 消費税別)されるそうなので、より活用していきたいと思います。いまのところ会計・税務領域が中心ですが、専門領域への今後の拡がりが期待できそうです。
まあ、結局専門書は相変わらずどかどか購入しているわけですが。
話題の新刊なので早速手を伸ばしてみました。
(オビより)
項目別のチェックリストを使って、個別かつ網羅的にリスクと対策を解説。監査法人・大手総合商社で培ったノウハウをまとめた1冊。改正内部統制基準等もフォロー。
2023年4月の内部統制実施基準の改正を踏まえ、実務視点での内部統制構築方法について書かれています。豊富なチェックリストと合わせ、Excelファイルのチェックリストをダウンロード可能です。(サンプル版は無料で完全版は有料)
JSOXの最新動向をコンパクトに把握しつつ、実務的なリストを利用したい読者向けには有用な一冊といえます。
第I部 内部統制の構築・運用に向けた基礎知識
「内部統制はなぜ必要か」「内部統制の構築に向けた基礎知識」など、基本的な知識確認のためのパート。基本知識があれば改正点をかいつまんで押さえれば十分だと思われます。
第II部 項目別チェックリスト
本書のメインパート。実務上リスクが高いとされる主要な内部統制項目ごとに「主要なリスク」「対策」「サンプル帳票」が紹介されています。本書で言及される項目は以下のとおりです。職掌柄IT統制のパートを時間をかけて読んでしまいますが、必要最小限のレベルは網羅しているように読めました。
本書の読後感は以下のとおりでした。どうしてもIT統制がらみは辛口になってしまいます。これから内部統制評価を始めるときにリスクを特定する段階で迷っている読者には向いていると思いました。
よかった点
残念だった点
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