会計データサイエンティストを目指す方の必読書が出ました。
雑誌『企業会計』連載時にも興味深く読んでいましたが、今回書籍になることでまとめて読めるのはありがたいです。書籍になると読後感がまた違いました。
本書は冒頭で対象読者ペルソナが明記されてるので、ご自身が向いている読者層かあらかじめ確認する目安になるでしょう。個人的には「中規模から大規模組織の経理部門所属」がターゲットに思えました。サンプルコードもついている親切設計なので、実際に手を動かしてみるのが肝要です。
以下、各章について読後の感想です。
第1部『会計データサイエンスの基礎知識』では、初学者向けにデータサイエンスの基礎知識を解説しています。
第1章 会計データサイエンスの準備体操
第2章 Python入門
では、データサイエンス初学者向けにPythonやNumPyの基礎解説があり、予備知識のない読者でもは入りやすくなっています。Google Colaboratoryのインストールから解説しているのはわかりやすいですね。NumPyやpandasの機能解説については既知の読者は読み飛ばしてよいですが、おさらいに読むのがよいでしょう。
第3章 数学入門
データサイエンスには不可欠の知識なので、この章を読んで眠くなるのでは始まらないです。頑張って読み切りましょう。
第2部『会計データサイエンスの実践』では、いくつかの実務的なユースケースをもとに、動作するPythonコードを用いての解説が続きます。
第4章 監査で使われる統計的サンプリングツールを実装しよう
第5章 会計データの特徴を理解して将来の売上を予測しよう
こちらの章は個人的に一番楽しく読みすすめられました。帰無仮説をはじめとする統計的サンプリングの解説を、コードまで落とし込んで解説した画期的なパートだと思います。季節変動のある売上データに基づく将来売上予測、というわかりやすいユースケースから、SARUMAモデルによる予測を解説。こちらも動作するコードで解説をわかりやすく表現していて、概念的な解説をより腹落ちしやすく伝える工夫が随所に見られました。
なお、統計的サンプリングについては発行年月は古いですがこちらの良書があるので、併せて参照するのがよいでしょう。
第6章 会計データを使って機械学習に挑戦しよう
会計データを使った機械学習への挑戦。機械学習の基本解説から、よりリアルなケースとしてたこ焼き屋の会計帳簿をもとにさまざまな分析からはじまり、決定木による顧客行動の分析やSVMによる掛け売り予測と資金繰り対応という実践的なテーマで分析を試みます。ここでも概念的な説明から実際のコードに落とし込むことで理解が容易な説明になっています。
第7章 会計データの異常検知をしよう
異常検知の問題設定にはじまり、正規分布に基づく異常値分析の解説です。この章で難易度が一気に上がりますが、会計監査の実務ではお馴染みのトピックを取り上げているので読み切りたいところです。深層学習の話題にも少し触れているのが興味深いですね。
第8章 データサイエンスを意思決定に活用しよう
ベイズ統計モデルによる不確実性モデリングや、自己回帰モデルによる在庫予測の解決、ロジスティック回帰モデルによる貸倒予測、生存時間モデルによる将来キャッシュフローの予測など、実践的な意思決定に用いるためのデータ分析がとりあげられています。サブスクリプション事業ではおなじみの離脱予測などのユースケースがあるので、SaaS企業の参考にもなるでしょう。こちらもコード盛りだくさんで消化不良になりそうですが、実際に動作させながら確認していくと面白さを味わえます。
第9章 データ分析基盤を構築しよう
会計データの特徴に始まり、効果的なデータ分析基盤の構築指針について解説しています。永遠のテーマではありますが、『データを何のために使うか』という根本的な問いかけは、データサイエンスに欠くことのできないものです。こちらも丁寧な解説が行われています。
参考文献それぞれに一言コメントがあるのがよいですが、章によってなかったりとばらつきがあるのは少し残念でした。複数著者だと符丁を合わせるのが難しいですね。
全体的に、会計データサイエンスの視点を掘り下げつつ実践的に理解したい方には格好の入門書だと思いますので強くおすすめいたします。本書はPythonやデータ分析の入門向けなので、より突っ込んだ深層学習や昨今のトレンドである生成AIにからめた解説触れていない点については、今後の続編に期待したいと思います。
なお、オビ部分にちょっとした遊び心があるので、実際に手に取って確かめてみましょう。
DNPエグゼクティブセミナーにて、サステナビリティ開示とサイバーセキュリティについて登壇いたしました。当日のセミナー資料をアップロードしましたので、ご笑覧ください。
タイトル:
DNPエグゼクティブセミナー
サステナビリティ開示とサイバーセキュリティ~いまから考えるべきこと~
日時:
2023年05月18日
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日本公認会計士協会より、2023/04/04に以下文書が公表されました。
経営研究調査会研究報告第70号「スタートアップ企業の価値評価実務」の公表について
https://jicpa.or.jp/specialized_field/20230404fbe.html
本文書の目次は以下のとおりです。
Ⅰ スタートアップ企業の動向と各種団体の対応
Ⅱ スタートアップ企業の価値評価の動向
Ⅲ スタートアップ企業の価値評価上の特徴と留意点
Ⅳ スタートアップ企業の株主価値評価
Ⅴ スタートアップ企業が種類株式を発行する場合の株式価値評価
Ⅵ スタートアップ企業の評価例
Ⅶ スタートアップ企業の価値評価を会計目的で実施する場合の留意点
Ⅷ 進化するスタートアップ企業の資金調達と評価上の対応
Ⅸ スタートアップ企業の価値評価を巡る課題と留意点
Ⅹ 価値評価業務の参考となる文献と用語集
「Ⅴ スタートアップ企業が種類株式を発行する場合の株式価値評価」「Ⅵ スタートアップ企業の評価例」には、事業計画とFCFのモデルケースによる株式価値評価の記載があります。このフェーズの株式価値評価のプロセスをコンパクトにまとめた資料として、一読をお勧めします。
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Webメディア「Tech Target Japan」に連載記事
『「電子取引データ保存の義務化」に向けた準備と運用』
第4回の記事が掲載されました。会員限定コンテンツですが、無料登録すると最後まで読めます。
電子帳簿保存法改正の解説で、5回シリーズになります。
今回は電子取引データの該当性について解説しております。お手すきのときにご笑覧ください。
「電子取引データ保存の義務化」に向けた準備と運用【第4回】
これは「電子取引」に該当する? 4つの“ありがちなケース”で解説
https://techtarget.itmedia.co.jp/tt/news/2301/16/news01.html
第1回:2022年改正電子帳簿保存法を改正前と比較、「4つの変化」とインパクト
第2回:どれが「電子取引」? 電子帳簿保存法改正の意外な落とし穴
第3回:始める前に要チェック 違法にならない「電子取引データの保存環境」とは
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Webメディア「Tech Target Japan」に連載記事
『「電子取引データ保存の義務化」に向けた準備と運用』
第3回の記事が掲載されました。会員限定コンテンツですが、無料登録すると最後まで読めます。
電子帳簿保存法改正の解説で、5回シリーズになります。今回は電子取引データの保存環境要件について解説しております。お手すきのときにご笑覧ください。
「電子取引データ保存の義務化」に向けた準備と運用【第3回】
始める前に要チェック 違法にならない「電子取引データの保存環境」とは
https://techtarget.itmedia.co.jp/tt/news/2212/09/news15.html
第1回:2022年改正電子帳簿保存法を改正前と比較、「4つの変化」とインパクト
第2回:どれが「電子取引」? 電子帳簿保存法改正の意外な落とし穴
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明けましておめでとうございます。
本年もどうぞよろしくお願いいたします。
2022年も、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の感染拡大の影響は収束することなく、引き続き試練の多い年となりました。従来どおりの感染対策を継続しつつ、社会経済を維持していくストレスとしばらく付き合っていくことになりそうです。
テレワーク(リモートワーク)スタイルと出社スタイルの共存が模索されるなか、生産性を維持しつつ働きやすい環境作りが追求されてきた一年と感じます。われわれの社会は今後どのような方向を目指して進んでいくのでしょうか。
2022年に上梓した拙著「経理のテレワーク 第2版」では、財務経理業務におけるテレワークの方向性について、私なりに展望を述べておりますのでご笑覧いただければ幸いです。
2023年は先行きに不安を抱えつつも、新たな挑戦を積極的に行い、実績を挙げ、成長を求めていきたいと思います。弊事務所は引き続きお客様の成長に寄り添いつつ、その成長に向けてさまざまな施策を講じます。個人としても、引き続きスキル向上に精進する所存です。
メンバー一丸となって本年も邁進して参りますので、どうぞよろしくお願い申し上げます。
クレタ・アソシエイツ 原幹公認会計士事務所 代表
公認会計士・税理士・公認情報システム監査人(CISA)・公認不正検査士(CFE)
原 幹
お問い合わせはこちらまで
2023年(令和05年)12月までの税務カレンダー(Googleカレンダー形式)を更新しましたのでお知らせします。
PC/スマホ/タブレット等でご利用ください。更新内容は以下のとおりです。
基本的に毎年同じイベントですが、休日による変動を調整しています。
表示イメージは以下のとおりです。項目をクリックすると詳細が表示されます。カレンダー右下の「+」ボタンを押して、ご自分のカレンダーに追加することもできます。ご利用は自己責任にてお願いいたします。
URLはこちら(うまく表示できない場合はブラウザでコピー&ペーストしてください)
https://calendar.google.com/calendar/embed?src=harakancpa.com_2qhjtrecvq75rb5rjed2nlfnfo%40group.calendar.google.com&ctz=Asia%2FTokyo(Google Chromeを推奨。環境によっては見えないことがあります)
https://calendar.google.com/calendar/embed?src=harakancpa.com_2qhjtrecvq75rb5rjed2nlfnfo%40group.calendar.google.com&ctz=Asia%2FTokyo2022年は政情不安や為替不安定など不安定が続く一年でした。2023年は改正電子帳簿保存法やインボイス制度の本格的な施行に向けて、企業の対応に追われる日々は続くものと予想されます。経理・財務・税務領域のデジタル化・デジタルを前提とした仕事を再設計するニーズを満たせるように、当事務所はバックオフィスの効率化を志向するお客様をこれまでどおりに引き続きご支援して参ります。
以上、本年最後の投稿になります。
2022年もお世話になりました。来年も良い一年でありますように。
当事務所へのお問い合わせはこちらまで。カレンダーへのご要望もお待ちしております。
(雑談です)
マイナンバーカードの義務化に関する議論が盛んなようです。マイナンバーカードに免許証機能を付加するとか、保険証機能をマイナンバーカードに付与するとか、そして保険証は廃止するとか、マイナンバーカード持ってない人には代替策講じますとか、代替策は保険証を有料化することですかとか、なにを隠そう保険証はこのままでいいですとか、一周回ってワンと鳴きたいのかとか思ってしまいます。
個人的には行政手続きに使うために個人を特定する番号があるほうが合理的だと考えますが、カードは別にいらなくて希望者のみスマートフォンに電子証明書情報を発行すれば終わりでしょうし、カードは希望者に発行すればすむ話だし、あえてカードの義務化にこだわる理由はなんなのでしょうね。ともあれ、マイナンバーカードの利便性がアピールできないまま普及を強引に進めても反感を受けるだけでしょうから、上手くいく気がまったくしません。
それよりも、法人を一意に特定する番号が乱立している現状はなんとかならないものでしょうか。税務の実務で使われる番号だけでも
と4つもあるため、どれが何というのがときどきわからなくなりますしなんだったら常にわかりませんしわかろうという気がもはやありません。このぐらいは役所で横串に統一して管理してほしいところですが、縦割り行政がそうさせないのでしょう。かれこれ20年近く実務に携わっていて、このあたりの仕組みが一歩も前進しないのはまことお見事としか言いようがありません(褒めてない)。そして今日もぶつぶつ言いながらこれらの番号をちまちま手入力していて、日本のDXってなんだっけと思うこの頃です。
あと、えるたっくすは(以下自粛)
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関東甲信税理士会 浦和支部の例会にて、経理DXと税理士(事務所)の今後についてお話いたしました。同業の皆様の前でお話するのは少々緊張しましたが、なんとか無事に終えることができました。
セミナー登壇資料をアップロードしましたので、ご笑覧ください。
タイトル:
経理DXの時代に税理士はどう向き合うのか
日時:
2022年10月04日
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「1冊でわかる! 経理のテレワーク(第2版)」全国の書店で発売開始されました!
ぜひ店頭でお手にとってみてください。
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初動の週恒例の大書店巡りをしてきました。
大手書店さんに面陳列してもらえるよう、引き続き販促がんばります。パンパン(祈願)
それにしても「会計力」「会計の基本」「会計の歴史」といったベストセラー/ロングセラーの面々の存在感には遠く及ばない現状をなんとか改善したいところです。
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