2020年4月1日以後に開始する事業年度より、大法人に対して電子申告が義務づけられることが予定されています。
大法人の電子申告の義務化の概要について
http://www.e-tax.nta.go.jp/hojin/gimuka/index.htm
適用対象となるのは「資本金等の額」が1億円超の法人ですので、大半の会社にとっては一見影響はなさそうです。電子申告の作業は会計ソフト側でデータが整備されていれば申告ソフト側で完結する面があるので、企業側にとっては書類が減ることを除けば電子申告のメリットはあまり実感できないでしょう。
さてこの話題、「提出書類が電子化されるのは結構なこと」と片付けられる話でもなく、多くの会社が直面していく「仕事のデジタル化」への壁という問題を孕んでいます。「仕事のデジタル化」とは書面での手続を前提とせず、デジタルデータに基づいて事務処理を完結させる考え方になります。
一方で税務手続に必要な書類が書面を前提としている以上はある程度「紙」による制約は仕方ないといえますが、それ以外の業務でも「紙」を前提とした業務フローにしているせいで非効率的なオペレーションになっていることはないでしょうか。
たとえば皆さんの会社ではこんな仕事の進め方をしていませんか?
これらは一例ですが、「紙」を前提とした業務フローに縛られているためにテクノロジーによる恩恵を限定的にしか受けることができない典型例です。「デジタル」→「紙」→「デジタルというフォーマット変換が入ることで余分な時間をかけることになり、生産性も下がります。
昨今ではデジタル書類やデータはそのままデジタルで処理が完結する業務フローが次々に整備され、世の中の主流になろうとしています。税務手続書類については道半ばですが、いずれデジタルを前提とした手続に収束していくでしょう。そのような時に旧来の「紙」を前提とした業務フローのままでいては、生産性低下や競争力低下につながることは容易に予想できます。
クラウドでのデータ一元管理やサービス活用をきっかけに、企業側も「仕事のデジタル化」を本気で取り組むべき時期が到来しています。「書類の電子化」という表面的な対応にとどまらず、「仕事のデジタル化」のために何するべきなのか、日々試行錯誤しながら改善を図っていく必要があろうかと思います。
※当事務所では「仕事のデジタル化」支援も行っております。詳細はこちら
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