会計・税務業務の関係者ならとりあえず購読してるけど読んでない週が多い定期的に読んでいない人はいないといっても過言ではない老舗会計媒体「経営財務」「税務通信」ですが、先週からようやく電子版で読むことができるようになりました。素晴らしい。
申込サイトからIDとパスワードを登録するとメールでお知らせが来るので、専用アプリ(無料)をダウンロードします。
http://www.zeiken.co.jp/app/door/
http://www.zeiken.co.jp/app/tusin_zaimu/
アプリからログインすると電子版が表示されて、最新号から2号分を読むことができます。
こちらは電子版の表紙。ほぼ誌面を再現。スワイプでページめくりできますが、日経電子版のようなクリッカブル画像ではありません。
同じ内容で、テキスト主体での表示もできます。
アングルを開くとリード文が読めます。
こちらは税務通信のほう。開く操作もほぼ同じ。ちなみに経営財務は「アングル」で、税務通信は「展望」というコーナータイトルも忠実に再現しているのが律儀。
本紙版の表紙。
テキスト版の記事一覧。
とりあえずテキスト表示は慣れれば読みやすいかなといったところです。
これで毎週届く紙媒体のほうは何も考えず綴にファイルしていけばいいことになりましたが、これはこれで煩雑なのではやく割安で電子媒体のみで読めるようになってほしいものです。(紙媒体の売上が下がるから無理だとは思いますが)
このたび
「会社法の一部を改正する法律及び会社法の一部を改正する法律の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律の施行に伴う金融庁関係政令の整備に関する政令」←長い
が1月28日に公布されたことにともない、改正された金融商品取引法が2015年5月1日より施行されることになりました。
http://www.fsa.go.jp/news/26/syouken/20141119-1.html
改正法にある、いわゆる内部統制監査免除の規定(193条の2第2項第4号)の内容は以下のとおりです。
第百九十三条の二(略)
2金融商品取引所に上場されている有価証券の発行会社その他の者で政令で定めるもの(第四号において「上場会社等」という。)が、第二十四条の四の四の規定に基づき提出する内部統制報告書には、その者と特別の利害関係のない公認会計士又は監査法人の監査証明を受けなければならない。ただし、次に掲げる場合は、この限りでない。一~三(略)一~三(略)
四上場会社等(資本の額その他の経営の規模が内閣府令で定める基準に達しない上場会社等に限る。)が、第二十四条第一項第一号に掲げる有価証券の発行者に初めて該当することとなつた日その他の政令で定める日以後三年を経過する日までの間に内部統制報告書を提出する場合
本施行に伴い、新規上場会社については以下の扱いとになります。
という扱いになります。内部統制報告書自体の作成が免除されるわけではないので注意が必要。
新規上場会社で3月決算であれば、2018年3月期から3年間免除ということになりますね。利用事例がどれだけ出てくるか注目です。
日立製作所グループがIFRSを任意適用するとのニュースです。
国際財務報告基準(IFRS)の任意適用に関するお知らせ(PDF)
http://www.hitachi.co.jp/New/cnews/month/2015/01/f_0126.pdf
2015年3月期の有価証券報告書、2016年3月期の業績予想から任意適用とのことです(現在は米国基準を採用)。
で、B型が苦手さんが適用理由をリサーチしたときいて。
日立グループ各社さんのIFRS任意適用のお知らせを読んだ。任意適用の理由を述べているのはキャピタルさんだけ。他のグループ会社さんの理由も教えてもらえると、私の作文仕事がはかどるのですが…
— B型が苦手 (@ifrs85) January 27, 2015
早速見に行ってきました。(一覧はWikipediaより取得)
クラリオン(東証1・6796) リリースなし
日立化成(東証1・4217)リリースなし
日立キャピタル(東証1・8586)リリース
日立金属(東証1・5486)リリースなし
日立建機(東証1・6305)リリースなし
日立工機(東証1・6581)リリースなし
日立国際電気(東証1・6756)リリース(理由なし)
日立ハイテクノロジーズ(東証1・8036)リリース(理由なし)
日立物流(東証1・9086)リリースなし
日立キャピタルのリリース
グローバルな会計標準である IFRS の適用により、資本市場における財務情報の比較有用性の向上を図ることで、国内外の株主・投資家層の拡大及びグローバル市場での資金調達手段の多様化をめざします。
親会社に合わせてリリースしたりしなかったりと寂しい状況ですが、日本のトップ企業グループが任意適用という動きは今後追随する企業の追い風になりそうです。
東証のウェブサイトで公表されている「IFRS任意適用・任意適用予定会社一覧」も、1月26日に更新されています。
IFRS任意適用・任意適用予定会社一覧(平成27年01月現在)
http://www.tse.or.jp/listing/ifrs/list.html
任意適用・適用予定会社数は54社になりました。最近追加されたのは次の5社です。
(IFRSを任意適用することを予定している会社)
テクノプロ・ホールディングス(6028/サービス業)
DMG森精機(6141/機械)
ジーエヌアイグループ(2160/医薬品)
日立製作所(6501/電気機器)
ネクスト(2120/サービス業)
2013年6月の19社からほぼ3倍になり、導入ペースが加速してきております。
IFRS導入のご相談はこちらまで!
さて、年が明けて確定申告シーズンに突入しました。
今年のスケジュールは
納付の場合は平成27年2月16日(月)から3月16日(月)まで
還付の場合は平成27年1月1日(月)から5年間
の間で受け付けています。期限に間に合うよう早めに準備を進めたいものです。
さて現段階でタブレット端末で確定申告がどこまで可能なのか、という話なのですが、よこかんさんのこんなツイートが流れてきましたので反応します。
タブレット端末で確定申告書等作成コーナーをご利用の方へ → https://t.co/SrVHKdnGuH ・タブレットでは所得税の申告書のみ作成可(贈与税・消費税・決算書は作成NG) ・申告は「紙で印刷+郵送」のみ(e-Tax送信はNG)
— よこかん (@kan_yokota) January 14, 2015
(以下引用)
タブレット端末では、パソコンで利用可能なe-Taxによる申告や入力データの保存などの一部の機能をご利用になれません。次の注意事項をお読みいただいた上で、確定申告書等作成コーナーをご利用ください。 なお、確定申告書等作成コーナーの画面は、パソコンで利用する画面と表現を統一しているため、ご利用になれない機能(e-Taxによる申告など)の説明が記載されていることがありますが、タブレット端末ではご利用になれませんのでご注意ください。
(引用おわり)
現状では「紙に印刷&郵送」を前提にしたフローなので、タブレット端末での申告は現実的ではないということでしょうか。確定申告書作成コーナーでも個人別データはローカル保存が前提なので、タブレット環境に対応という点で当局も苦慮しているのかもしれません。
当事務所でも決算・申告はデジタルデータ&e-Tax・eLTAXというフローになるべく落とし込んでおりますが、まだまだタブレットに移行とはいかず、PC環境を前提にしたオペレーションになっております。原紙証憑を全廃することもできません。
仮に申告までは難しいとしても、記帳・決算の作業であればはタブレット「のみ」でできそうではあるので、試行錯誤を進めております。現状ではまだまだ過渡期といった状況。
H27年の税制改正大綱では紙証憑のデジタル化についても動きがありそうなので、来年度から本格的な普及につながることを期待したいと思います。
東証のウェブサイトで公表されている「IFRS任意適用・任意適用予定会社一覧」が、11月13日に更新されました。
IFRS任意適用・任意適用予定会社一覧(平成26年11月現在)
http://www.tse.or.jp/listing/ifrs/list.html
任意適用・適用予定会社数は49社になりました。
前回の更新に加えて新たに追加されたのは次の3社です。
また一覧にはまだ反映されてませんが、12月15日上場予定のテクノプロ・ホールディングスを加えると50社になる見込みです。
(IFRSを任意適用することを予定している会社)
電通(4324,サービス業)
コナミ(9766,情報・通信業)
ホットリンク(3680,情報・通信業)
2013年6月に19社だったことを考えると、適用するペースが徐々に上がっているようです。
IFRS(国際会計基準)の任意適用表明が相次いでいます。11月6日にはコナミ株式会社が、同9日には株式会社ホットリンクが、同12日には株式会社電通(東証一部)がIFRSへの移行を公表しました。本誌の調査では、これでIFRS適用(予定含む)企業は50社を数えます。#IFRSCAFE
— 経営財務編集部 (@zeiken_zaimu) November 13, 2014
IFRS導入のご相談はこちらまで!
経営財務編集部ツイッターアカウント開設記念。
で、早速こんなツイートがあったので慌てて今週号を拝読しました。
今週号(9/29号)掲載の、金融庁・池田局長からの『特別寄稿』が期待以上に反響大!!『スクープ記事』との嬉しい評価も。“日本版IFRS ”に対する当局の見解が率直に語られているからか。#IFRSCAFE
— 経営財務編集部 (@zeiken_zaimu) October 1, 2014
金融庁 総務企画局長 池田唯一氏による「修正国際基準」(JMIS)への批判に応える内容になっています。
要旨はこんな感じです。
これらを踏まえて、国際的な意見発信の道具立てとしてJMISを活用していく、ということのようです。
ご興味ある方はぜひ「経営財務」No.3181号を入手して全文を読んでみてください。
正直、この見解に対しても批判が出そうだなと思わされる内容でした。当事者が語るところのJMISの意義は理解できなくはないですが、IFRSに向けた意見発信というのであれば本丸のIASBでの存在感を発揮すればすむ話で、フルセットでの会計基準を別に整備してまでやる話なのだろうかという素朴な疑問が沸いてきます。
ともあれ、10月31日までコメント募集しているので、IFRSに向けた意見発信という意義を踏まえて公開草案には何らかのコメントを出そうかなと思います。
コメントはこちらから↓
https://www.asb.or.jp/asb/asb_j/endorsement/exposure_drafts/
東証のウェブサイトで公表されている「IFRS任意適用・任意適用予定会社一覧」が、9月26日に更新されました。
IFRS任意適用・任意適用予定会社一覧(平成26年9月現在)
http://www.tse.or.jp/listing/ifrs/list.html
前回の更新に加えて新たに追加されたのは次の2社です。
(IFRSを適用している新規上場会社の新規上場申請のための有価証券報告書(Ⅰの部))
すかいらーく(3197,小売業)
(IFRSを任意適用することを予定している会社)
日本合成化学工業(4201,化学)
新規上場でIFRSを適用するすかいらーくが目を惹きます。のれん非償却が直接の動機のようです。
すかいらーく、IFRSで8年ぶり再上場の真意(東洋経済ONLINE)
http://toyokeizai.net/articles/-/46589
今後も新規上場時にIFRSを採用するケースが増加することが予想されます。
CAATの全体像と個別テクニックについて網羅的に語ってくれる書籍がなかなかなかったのですが、このたび決定版が上梓されました。
筆者自身がCAAT導入トレーニングがや分析ソフトの販売を手がけている手前、あまり宣伝臭がでないように工夫してあります(まあ奥付に書いてありますけどね)。長年の経験にもとづくCAAT導入の必要性や具体的な利用テクニックは、今後広くCAATを利用する立場(外部監査人/内部監査人/被監査部門など)の良いリファレンスになると思います。
「内容紹介」より
今、監査業界の最もホットな話題といったら「コンピュータ支援監査技法(CAAT)」に間違いありません。 本書の帯には、「この一冊ですべてがわかる! 」とあり、「誰も教えてくれなかったCAATを基礎から徹底解説」、「108の最新事例で「不正がはびこる原因」と「監査人として今、必要な対策」を詳解! 」と続きます。 最近、「CAATを簡単に解説した本はないのか?」という問い合わせが、企業の方をはじめ、監査の専門家からも大変多く寄せられています。このような声に応えるために、この『CAAT基礎講座』は生まれました。 本書の最大の特徴は、108の事例を解説しながら、CAATが必要になってきた背景や基礎的知識を、丁寧に解説していることです。本書一冊でCAATの基礎的な知識を習得できます。 すべての監査人に読者層を設定し、コンピュータの難しい話は避け、極力平易な記述に努めています。豊富な事例と興味深いコラムを交互に織り交ぜることにより、最後まで途切れることなく読破することができるように工夫されています。
目次
———
第I部 デトックス編 1 プロローグ~CAATへようこそ~
2 失われた監査の信頼
3 不正会計事件が起きる「18」の理由
4 CAAT導入を拒んできた「10」の理由
5 信頼されていない日本の監査
第II部 ナレッジ編
6 コンピュータと電子的監査証拠
7 電子帳簿保存法
8 必要十分性と可監査性
9 リスク・アプローチ
10 監査証拠の入手とCAAT
11 監査のための統計的知識
12 監査とサンプリング
13 データの構造
第III部 ファンクション編
14 データインポート/データの読み込み
15 ベンフォード分析
16 重複分析
17 ギャップ分析
18 階層化分析
19 エイジング分析
20 結合分析
21 ラウンド数値分析
22 集計分析
23 条件抽出分析
24 クリティカルパス
25 不正調査報告書の検証
26 なぜ実務では、CAAT専用のデータ分析ソフトウェアが使われるのか?
———
「2 失われた監査の信頼」
著者が最も力を込めて主張したかったであろう記述パートです。日本の監査慣行が諸外国に比べ歪んだ歴史をたどっている点。結果としてCAATの普及が日本で周回遅れになったことの苛立ちが伝わってきます。業界の端くれにいる者として襟を正さなければならないと実感します。個々の監査人が最大限の努力を払っていたとしても、制度設計が間違っていることで効果的な監査が実現できていないとすれば大問題でして、不正が発見できないアプローチではいくら現場で頑張っても限度があるのでしょう。
「4 CAAT導入を拒んできた「10」の理由」
このパートが一番面白いです。 「CAATは表計算ソフトでもできる」 「CAATはIT監査人がすべき仕事」 といった誤解を正す記述の説得力は、著者自身が味わってきたCAATへの無理解に対するストレスの投影なのかもしれません。CAATそのものが従来の監査手法を拡張するものではなく今後の監査の基本的な手法として広く使われるべきであるという主張は深く頷ける内容であります。コンピュータ「を」でなく、コンピュータ「で」監査する風土がもっと日本で定着してほしいですね。
実は本書のメリットを一番享受できるのは外部監査人でも内部監査人でもなく、事業会社の被監査部門なのかもしれないです。CAATのテクニックを逃れるノウハウという意味ではなく、不正のない業務を推進しているのであればどのようにデータ提供して監査部門に(なるべく最小限の手間で)協力すべきなのか、という点において。
ともあれ、筆者の主張するところの「検出できない監査」や「責任を問われない監査」に安住する監査人の横面をはたいて目を覚まさせるインパクトがありそうな一冊。 (500ページ近くある大著なので実際に横面をはたいたらたぶん痛いです。やめましょう)
なお監査とサンプリングについては副読本としてこちらもおすすめ。サンプリングについてこれ以上やさしく解説している本は見たことありません。
「IFRS15号 顧客との契約から生じる収益」について、NTTデータビズインテグラル様のサイトにコラムを掲載いただきました。
3回シリーズの最終回では、業務及びITへの影響について解説しております。
ご笑覧いただけますよう、よろしくお願い申し上げます。
IFRS「新しい収益の基準」最新動向と業務・ITへの影響(3)
【第3回】IFRS15号が実務にどのような影響を及ぼすか
http://www.biz-integral.com/column/ifrs03.html