2018年(平成30年)12月までの税務カレンダー(Googleカレンダー形式)を更新しましたのでお知らせします。
PC/スマホ/タブレット等でご利用ください。更新内容は以下のとおりです。
基本的には毎年同じイベントなのですが、休日による変動が少し入るのでそのあたりを調整しています。
表示イメージは以下のとおりです。項目をクリックすると詳細が表示されます。カレンダー右下の「+」ボタンを押して、ご自分のカレンダーに追加することもできます。ご利用は自己責任にてお願いいたします。
(Google Chromeを推奨。環境によっては見えないことがあります)
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2017年も終わりが近づいてきました。今年も仕事のうえではさまざまなクラウドサービスにお世話になりましたので、特に利用頻度の高かったものを挙げてみます。主に事務処理業務における業務優先度や利用頻度によるものなので、最近出てきたサービスはあまりありませんがそのあたりはご容赦いただければと思います。(以下、ランキングではなく順不同です)
2018年も新たなサービスが続々と出てくると思いますが、積極的に試しつつ現状業務に合うかどうかを見極めながら少しずつ本格導入していく予定です。
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12月1日に公表された所得税法上の仮想通貨の扱いに続き、会計基準もその姿が明らかになってきたようです。
以下、備忘リンクとコメントを交えつつ現段階でのまとめエントリです。
(会計基準)
実務対応報告公開草案第53号「資金決済法における仮想通貨の会計処理等に関する当面の取扱い(案)」の公表
https://www.asb.or.jp/jp/accounting_standards/exposure_draft/y2017/2017-1206.html
「仮想通貨「時価評価で」 企業会計基準委 来期から適用方針」(会計ニュース・コレクター)
http://ivory.ap.teacup.com/kaikeinews/11639.html
仮想通貨の所得計算、具体例公表 国税庁がQ&A(日本経済新聞)
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO24143700R01C17A2000000/
(所得税)
仮想通貨に関する所得の計算方法等について(情報)(PDF)
https://www.nta.go.jp/shiraberu/zeiho-kaishaku/joho-zeikaishaku/shotoku/shinkoku/171127/01.pdf
No.1524 ビットコインを使用することにより利益が生じた場合の課税関係(国税庁タックスアンサー)
http://www.nta.go.jp/taxanswer/shotoku/1524.htm
(消費税)
非課税取引(国税庁タックスアンサー)
https://www.nta.go.jp/taxanswer/shohi/6201.htm
残りは法人税上の扱いになりますが、これもあまり待たずに明らかになりそうです。
さて処理方法はさておき、仮想通貨と今後どのように付き合っていくべきなのでしょうか。なかなか判断が難しいところですが、利益が出たところで総合課税になるし損失が出ても通算できないしで国の懐を潤すだけの投資対象にも思えます。2017年は仮想通貨市場におけるボーナス期間のような意味合いが強かった年でしたが、今後同じような伸びが期待できるかどうかはわかりません。
最近お客様からもよくご質問を受けるのが「所得の申告にあたって仮想通貨を年末でいったん利益確定して確定申告するべきか、保有し続けるべきか」という話なのですが、考えられる解としては
のいずれかで、どちらが正解なのかは仮想通貨保有者の置かれた状況と心理次第という身も蓋もない結論になってしまいます。仮想通貨自体が現状では法定通貨としての信用力を持っていないいわば「おまけ通貨」という位置づけである現状では、そこから得られる利得も「おまけ所得」として割り切っておく(利得が大きくても小さくてもそんなものだと割り切る)のがよいのかもしれません。個人的には今の狂騒的状況は静観しつつ、仮想通貨が制度上も法定通貨として認められてから投資対象として真剣に検討するべきかと思います。
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2017年11月8日に、日本公認会計士協会IT委員会研究資料第9号として
「Trust サービス原則、規準及びその例示(セキュリティ、可用性、処理のインテグリティ、機密保持及びプライバシーに係る適合するTrust サービス原則、規準及びその例示の2014 年版の更新)」
が公表されました。
http://www.hp.jicpa.or.jp/n_member/specialized_field/20161226ahs.html?t
2016年版のtrust services principles and criteria framework(TSPC)の公表を受け、翻訳も更新されたものです(なお正式版は英文になります)
http://isae3402.com/ISAE3402_trustservices.html
https://www.aicpa.org/interestareas/frc/assuranceadvisoryservices/trustdataintegritytaskforce.html
主な変更点は以下のとおりです。構成の変更にとどまっているようです。
① 規準の構成の変更
2014年版の「Trustサービス原則、規準及びその例示」は、「セキュリティ、可用性、処理のインテグリティ、機密保持に共通する原則と規準」と「プライバシー原則と規準」が分かれていましたが、2016年版の「Trustサービス原則、規準及びその例示」では、「全ての原則に共通する規準」と「追加規準」(プライバシーに関する追加規準の新設)の構成に変更されました。
② 規準の修正
上記構成の変更に伴い、プライバシーに関する規準の統廃合(既存の共通規準との重複項目の削除等)が行われました。
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https://ssl.form-mailer.jp/fms/e5d2273b248067
確定申告はまだまだ先だと思ってたらすぐやってきますので準備はお早めに。
さて、こんなニュースが流れております。
スマホでの確定申告はiPhone非対応「普及させる気ある?」と呆れ声も
http://news.livedoor.com/article/detail/13853542/
正直「ああ、またか」と天を見上げてしまういつもの展開というか、マイナンバー読み取りに対応したスマホというのがすでに意味不明。記事タイトルのとおり、当局も普及させる気はなくて国産スマホメーカーの利益を守ることか、それとも何も考えてないかのどちらかなのかなとか思いました。
本人確認のためであれば「マイナンバー読み取り機能」にこだわらず、マイナンバーカードもしくはマイナンバー通知カードをスマホで撮影してアップロードすれば足りる(実際そのような運用をしているウェブサービスがたくさんある)のに、あえてこのような方向にしてしまうのは理解に苦しみます。この調子だと、マイナンバーカードの普及(現在絶賛停滞中)とか電子申告業務の統合とか、絵に描いた餅にしかならないのだろうなあと暗澹たる気持ちになります。業務の当事者としても他人事ではありません。
税務当局は制度設計をおかしな形で歪めることなく、利用者にとって申告作業が容易で便利になるような工夫を考えてほしいと思います。
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SaaSビジネスを展開する企業の収益モデル(いわゆるサブスクリプションモデル)の事業管理においては、伝統的な財務会計による損益計算書とは異なる計算が求められますが、それはどのような考え方なのでしょうか。これについてSalesforceがまとめた創業者向けガイドに基本的な考え方がまとめられています。一部ではすっかり有名な文書ですが、無料で入手できますので一度目を通してみてください。
SaaS創業者向けスタートアップガイド(日本語)
SaaS Startup Founder’s Guide(英語)※右下にePubのリンクがあります
https://www.salesforce.com/solutions/salesforce-for-startups/overview/
なお、同文書についてはこちらのブログによくまとめられています。
ネットフリックスの値上げから考えるサブスクリプションモデルの適切なKPI設定(なおゆきさんのnote)
https://note.mu/naoyuki884/n/nf8daed9d9220
(以下は同エントリの受け売りになりますが)SaaS企業は月額/年額でユーザーが料金を払うことで、他の業態に比べて年単位での収益を予測しやすいという特徴があります。具体的に、年間定期収益(ARR, Annual Recurring Revenue)と呼ばれる「期初時点での1年先の見込み収益」が主要な業績管理指標として多くのSaaS企業で採用されています。ARRは月次定期収益(MRR, Monthly Recurring Revenue)を12ヶ月分積み上げた数字になります。
とりあえず、以下の2つの考え方は知っておいて損はないと思います。
SaaS企業の損益計算書モデル
(SaaS創業者向けスタートアップガイドより引用)
また、こちらはSalesforceで採用されている管理指標を表すthe modelという図になります。
(http://success.salesforce.co.jp/assets/SuccessClinic100126.pdfより引用)
事業管理と財務会計の二つの要請に応えていくためには、たとえばユーザーからの支払(たとえば年額払い)が発生したときに、財務会計上の収益認識の考え方による集計(役務が提供された部分について収益を認識する)と、ARRベースでの収益の集計(役務提供のいかんに関わらず、月額で追加獲得/アップグレードにより支払われた利用料をもとに集計する)が同じタイミングでできるのが理想なわけですが、私の観測する範囲ではARRベースから財務会計ベースへの組替を手動計算で行っているところが多いです(さすがにSalesforceの規模の企業であれば自動化されていそうですが)。
SaaS企業が数多く活動している昨今では、このあたりを自動化するニーズも実は多いのかもしれません。もちろん管理指標は唯一絶対のものではないので、提供するサービスの性質に合った管理指標を運用する必要があります。
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画像は総務省つながりです。
総務省より、以下の文書が9月に公表されています。
「IoTセキュリティ総合対策」の公表
http://www.soumu.go.jp/menu_news/s-news/01ryutsu03_02000126.html
IoTセキュリティ総合対策(別紙)
http://www.soumu.go.jp/main_content/000510701.pdf
内容自体は今後のIoT(Internet of Things)の進展を踏まえてのセキュリティ対策の方向性を規定する文書なのですが、気になる記述としてP11の「② セキュリティ対策に係る情報開示の促進」があります。(太字は筆者)
民間企業においては、複雑・巧妙化するサイバー攻撃に対する対策強化を進める動きが見られるようになってきており、こうした取組をさらに促進するためには、セキュリティ対策を講じている企業が市場を含む第三者から評価される仕組みを構築していくことが求められる。米国においては、日本の有価証券報告書にあたる 10-K 報告書において記載することが推奨されるセキュリティ対策について証券取引委員会(SEC)がガイドラインを策定・公表している。こうした情報開示はあくまで任意のものであるが、企業の対策促進の観点からみて有益な取組であると考えられる。このため、我が国においても、あくまで任意の情報開示であることを前提としつつ、企業のセキュリティ対策に係る情報開示に関するガイドラインの策定について、関係府省と連携しつつ、年度内を目途に一定の結論が得られるよう検討する必要がある。その際、開示する情報の粒度については情報開示が新たな攻撃を誘発しないよう十分に配慮するとともに、こうした情報開示とサイバーセキュリティ保険の普及の在り方について併せて検討する必要がある。
現状では任意とありますが、今後は有価証券報告書などの法定開示で情報セキュリティ対策についての記述も加わっていく流れなのでしょうか。監査報告書の透明化もそうなのですが、記載事項がいたずらに増え続けることで本当に知るべき情報が埋もれてしまう可能性もあるので、読み手としては注意が必要です。
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旬刊「経理情報」2017年10月1日号(No.1491)に 記事
『スキャナ保存で経費精算業務を効率化するポイント』
を寄稿しました。
経費精算業務にフォーカスしたスキャナ保存について書かせていただきました。
ご一読いただければ幸甚です。
公式サイト
Facebookページ
本記事へのご意見・ご感想
諸説あったビットコインの売買によって得た利益の税務上の扱いですが、雑所得ということでいったん区切りがついたようです。
No.1524 ビットコインを使用することにより利益が生じた場合の課税関係(国税庁タックスアンサー)
http://www.nta.go.jp/taxanswer/shotoku/1524.htm
ビットコイン使用で得た利益は「雑所得」 国税庁が見解(ITmedia NEWS)
http://www.itmedia.co.jp/news/articles/1709/06/news109.html
総合所得との損益通算や繰越控除はできないということなので、一定の利益を得たらきちんと申告しなさいよ、という当局のメッセージにも見えます。
関連するツイートも引用します。
所法第36条第1項では、所得の計算に含める収入金額を「収入すべき金額(金銭以外の物又は権利その他経済的な利益をもつて収入する場合には、その金銭以外の物又は権利その他経済的な利益の価額)」と広く対象としているけれど、
— blanknote (@blanknote) September 6, 2017
所法第57条の3第1項は、「外貨建取引(外国通貨で支払が行われる資産の販売及び購入、役務の提供、金銭の貸付け及び借入れその他の取引をいう。(略))」と外国通貨に限った規定なので、仮想通貨の扱いが宙に浮いている状況。
— blanknote (@blanknote) September 6, 2017
ビットコインの解釈について世の中で混乱が見られるので、ひとまず収拾を図ったとみるべきでしょうか。本解釈では「ビットコインを使用することにより生じる損益(邦貨又は外貨との相対的な関係により認識される損益)」を雑所得として、「BTC→円貨」もしくは「BTC→外貨」の転換時に損益を認識するとしています。個人の所得税での扱いについては一定の決着を見たといえますが、一方でたとえば法人取引としてBTCを保持し続けて事業年度末を迎えた場合の処理や税務上の扱いについては触れていません。(外貨に準ずる扱いをするのであれば評価替えを行うべきなのでしょうけど)。
引き続き、会計基準の整備を待ちたいと思います。
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課税文書のスキャナ保存に関するトピックを以前よりも目にする機会が増えてきました。実際のケースがまだまだ少ないのが現状ですが、そんななかスキャナ保存に関する書籍も著されている税理士の佐久間裕幸先生の興味深いエントリを拝見しました。
スキャナ保存導入は、なぜ進まない(税理士 佐久間裕幸の談話室)
http://hsakuma.cocolog-nifty.com/blog/2017/08/post-0545.html
経理・財務部門の電子化・デジタル化に向けた現状と課題(日本CFO協会 CFO Forum)
「紙の書類を破棄することへの本能的不安」なるほどそのとおり。確かに、紙の証憑に戻るという「退路」を用意しておけばいざというときに安心なのですが、こうして保険を掛けておくことで企業が本気でスキャナ保存を前提としたワークフローに全面移管できるかというと大いに疑問です。
よくよく考えてみると、世の中こういったケースが数多くあります。
新しいツールや仕組みを導入することで出てくる不安についてはこういった「退路」を設けることで払拭できるようにも思えるものの、このような状況を続けるかぎりは新しいツールやサービスを本気で使いこなす流れにはつながらないように思えます。必要な検証は行ったうえで、あるタイミングで一気に仕組みを切り替えるという覚悟は、現場によるボトムアップよりは経営者によるトップダウンの判断が必要です。私の経験では、ERPパッケージ導入や全社業務改革といった影響範囲の広い仕組みをうまく導入できた企業には「新しい仕組みに飛び込む覚悟」と「古い仕組みを捨て去る勇気」の両面がトップマネジメントに備わっているように思えます。
新しいツールやサービスは日進月歩で私たちの前に現れてきます。古い仕組みにとらわれず、新しい仕組みを積極的に取り込む柔軟さと覚悟は皆さんの会社にあるでしょうか?
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