【IT委員会】実務指針第7号及び研究報告45号の改正

水曜日 , 26, 4月 2017 【IT委員会】実務指針第7号及び研究報告45号の改正 はコメントを受け付けていません。

日本公認会計士協会 IT委員会より、2017年4月26日に2点の文書が公表されました。

  • IT委員会実務指針第7号
    受託業務のセキュリティ、可用性、処理のインテグリティ、機密保持及びプライバシーに係る内部統制の保証報告書
  • IT委員会研究報告第45号
    IT委員会実務指針第7号「受託業務のセキュリティ、可用性、処理のインテグリティ、機密保持及びプライバシーに係る内部統制の保証報告書」の実施上の留意点

第7号はいわゆるタイプ1(整備状況)報告書とタイプ2(整備及び運用状況)報告書のひな形が添付されています。

参考リンク

http://www.hp.jicpa.or.jp/specialized_field/20170426i56.html

改正の概要は以下のとおりです。

2016 年3月に、米国公認会計士協会(AICPA)から2016 年版のTrust Service Principle
Criteria(TSPC)が公表されたことを受け、付録4の「原則と規準」の見直しを行うとともに、これまで
独立の規準とされてきたプライバシーの原則と規準について、その他の4つの原則と規準と同様に、共通
規準と追加規準の構成に変更しました。

具体的には、以下の改正が行われています。

  • 実務指針第7号においてはいくつかの用語の修正および以下のひな形の修正(プライバシーコミットメントの遵守に関する記載削除など)
    • タイプ2のセキュリティ、可用性、処理のインテグリティ及び機密保持に関する受託会社確認書
    • タイプ1のセキュリティ、可用性、処理のインテグリティ及び機密保持に関する受託会社確認書
    • タイプ2のプライバシーに関する受託会社確認書
    • タイプ2のプライバシーに関する業務実施者の保証報告書
  • 研究報告第45号においては
    • コミュニケーションに関する共通規準及び留意事項の追加(Q9,Q10)

クラウドサービスに本保証業務を提供する場合の留意点も書かれていますので(Q11)、ご参照ください。

 

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仮想通貨の会計処理 検討はじまる

火曜日 , 25, 4月 2017 仮想通貨の会計処理 検討はじまる はコメントを受け付けていません。

企業会計基準審議会(ASBJ)で、仮想通貨に関する会計処理の検討が開始されたようです。2017年7-8月頃をめどに基準案が公表されるとのこと。

https://www.asb.or.jp/jp/project/plan.html

https://www.asb.or.jp/jp/wp-content/uploads/20170411_0.pdf

すでに第1回の専門委員会が開催されていますので、近く議事が共有されることでしょう。ビットコインに代表される仮想通貨を日常的に業務で取り扱う状況が近い将来に現実のものになりそうなので、実務で混乱しないよう基準を整備しておこうという動きなのだと思われます。

さてこの仮想通貨、少し調べてみるといくつかの論点があるようです。2016年11月14日開催の基準諮問会議議事を参照します。(以下、適宜引用します)

https://www.asb.or.jp/asb/asb_j/standards_advisory/minutes/20161114/20161114_02.pdf

  • 仮想通貨の範囲

改正資金決済法における定義は次のとおりです。

1)物品を購入し、若しくは借り受け、又は役務の提供を受ける場合に、これらの代価の弁済のために不特定の者に対して使用することができ、かつ、不特定の者を相手方として購入及び売却を行うことができる財産的価値であって、電子情報処理組織を用いて移転することができるもの
2)不特定の者を相手方として1)に掲げるものと相互に交換を行うことができる財産的価値であって、電子情報処理組織を用いて移転することができるもの

いわゆる電子マネーは上記の範囲から除かれます。

  • 仮想通貨が参照する会計基準等

「金融商品」「棚卸資産」「外貨建ての現金」といった見解に分かれているようです。

1) 現行の会計基準に当てはめた場合
仮想通貨は、法定通貨には該当せず(資金決済法第 2 条第 5 項第 1 号)、それ自体が権利を表章するものではないため有価証券にも該当しない(金融商品取引法第 2 条)(注1)と考えられる。よって、現行の金融商品会計基準等における金融商品の範囲に含まれると解釈するのは難しいという意見がある。
仮想通貨は、需要と供給で価値が変動しており、金や一次産品等の「コモディティ」に概念的には類似するが、本源的価値があるわけではない(注 2)。「コモディティ」との概念的な類似に鑑みると、棚卸資産の評価に関する会計基準における棚卸資産の範囲に含まれるというのは相対的に解釈上の無理が少ないという意見がある。ただし、本源的価値がゼロであることから、棚卸資産と相違する点も多いため、その点を反映すべきではないかといった意見がある。
2) 仮想通貨の性質を考えた場合
仮想通貨は、決済手段として設計されている点が特徴的であり、必ずしも棚卸資産のように投資の成果を獲得することを意図しているわけではなく、モノ自体の価値というよりは市場の換金レートで価値が実現することができるものであるため、「外貨建ての現金」に準じた会計処理が適合するのではないかという意見もある。

  • 預かり資産の計上時点および計上要否
    • 秘密鍵の占有に基づき仮想通貨交換業者は資産を計上し、その返還義務を負債として計上する
    • 認識時点としては、顧客と仮想通貨交換業者の契約条項に従う
    • 預かり仮想通貨を資産及び負債として計上し、時価評価する会計処理を採用する場合には、負債の時価評価という観点から、既存の会計基準との整合性が論点になる

などの見解があります。

  • 取引類型

仮想通貨交換業者において想定されるのは以下の4類型です。

a.現物取引(自己取引)
b.デリバティブ取引、信用取引、貸借取引(自己取引)
c.現物取引(委託取引)
d.デリバティブ取引、信用取引、貸借取引(委託取引)

  • 評価及び換算方法
    • 時価のある金融商品又は外貨建取引会計等処理基準における期末日換算レートと同様に取り扱うか
    • 複数の仮想通貨交換業者で異なる価格が観測されるため、通貨ペアごとに最も活発な市場を使う必要があるか

などの見解があります。

  • 表示と開示

財務諸表上は「仮想通貨」として独立した科目をもって表示すべきかという見解があります。

  • 消費税法上の取扱い

仮想通貨は電子的なデータでありますが、譲渡可能な資産の受渡処理となり「資産の譲渡等」と取り扱われます。一方で改正資金決済法を受けて、2017年7月1日より「非課税取引」として統一されることになるようです。

現段階では以上の情報にとどまります。財務諸表上で識別する範囲が物的な財産から無形の財産へ広がり、仮想的なデータまで広がることで財務諸表が示す経済実態とはどのようなものになるのか、そしてそれらのデータを会計データとして識別する環境は今後どのように変容していくのか。興味深く見ていきたいと思います。

 

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「AI監査」が現実になる日

水曜日 , 19, 4月 2017 「AI監査」が現実になる日 はコメントを受け付けていません。

会計・監査ジャーナル(日本公認会計士協会の機関誌ですが書店でも入手可能です)の2017年5月号に

「AIの可能性と会計監査への活用」

というインタビュー記事が掲載されています。山田誠二・人工知能学会会長との意見交換が中心になっており、興味深く読ませていただきました。感想としては研究は進められているものの、監査実務にAIが入り込んでいくのはもう少し先のタイミングかな、といった印象です。

山田先生とは雑誌「企業会計」7月号で「AIは会計士の仕事を奪うか」特集が組まれた際に僭越ながら意見交換をさせていただきました。AIにも得意不得意はあるので監査業務のような直感的な判断につなげるための学習をどのように行わせるかが非常に難しい、といった示唆をいただきました。(AIによる経理業務の改善というテーマで私も書かせていただいてますので、ご興味あればバックナンバーをご参照ください)

バックナンバーはこちらです。

中央経済社へのリンク

http://www.chuokeizai.co.jp/acc/201607/index.html

Amazonへのリンク

山田先生に倣い、AIを「人間に代わって行動な知的処理を実行するプログラム」(いわゆるコンピュータ化や自動化は含まない)と定義するとして、監査業務をAIが代替するもしくは人間が行う業務をAIが補完するといった姿が近い将来に実現するかもしれません。その際は現在の「試査+リスクアプローチ」から「精査+リアルタイム検知アプローチ」に移行していくようです。

一方で、監査業務にAIを活用するにあたって大きなハードルになるのは

  • 非整形なデータの取り回しをどのように解決するか
  • 監査業務で行われる意思決定(直感的・因果関係に基づく判断)をどのように学習させるか

といった点になろうかと思われます。

「会計帳簿データを解析する」と単純に言っても、原始入力データに規則性がなかったりノイズが混じっていたりすれば不整合を裏付けるデータを抽出するのは困難でしょう。テキストマイニングで解決できるレベルのハードルなのかは現状では判断できかねますが、少なくとも正常データと異常データの線引きをする閾値を決めるのも困難が伴いそうです。

直感的・因果関係に基づく判断はどういう形であれAIに学習させる必要があるので、これは過去データをもとに学習が進むことで一定の成果が得られるかもしれません。

大手監査法人でもこれらの研究は進んでいるようで、当面は大量の監査業務データからの学習成果を得つつ人間の判断業務をどのように補完するのかが課題になるでしょう。案外早いタイミングで「AI監査」が実現するかもという予感もしております。

財務諸表作成者・利用者の立場からは、日々登録する会計データをいかに整形データとして整備するかどうかが鍵になりそうです。もっともこの点はクラウド会計ソフトによる改善が図られていて、入力段階でタグ付けや科目補正など自動化が行われているのでさらに機能が進化すれば利用者が意識することなく整形データを蓄積していくことができるようになるかもしれません。

 

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日本のマイナンバー制度は「失敗」なのか?

火曜日 , 11, 4月 2017 日本のマイナンバー制度は「失敗」なのか? はコメントを受け付けていません。

こんなエントリが流れて来ましたので。

http://www.from-estonia-with-love.net/entry/mynumber02

マイナンバー普及させる気あるのかな

そのマイナポータル、使うのちょっと待った

というエントリでも書きましたが、確かに日本のマイナンバー制度は現状では成功しているとはいいがたい状況です。

 

この方によれば、以下の2点において日本のマイナンバー制度は「失敗」であるとの旨。

  • マイナンバーが機密情報であること
  • 自分でアクセスログを追跡できないこと

マイナンバーが機密情報かというと見解が分かれるところです。IDだけではなにもできず、暗証番号が必要な点は国民IDと同じですが(4つも設定しますけど)、広く公開すべきでないものとした制度設計とアナウンスは間違っていたなと思います。

アクセスログを追跡できない点はそのとおりです。

ともあれ、日本のマイナンバー制度は実質2017年からスタートといった状況なので、人口の違いやスピード感の違いをそのまま比較するのも雑な議論に思えます。一方で

  • 日本 ― 権力が国民を監視する制度
  • エストニア ― 国民が権力を監視する制度

という大意についてはおおむねそうかなと。国民総背番号制という神経逆撫でワードのおかげもあって、積極的に利用するという動機付けにいまひとつつながっていません。もっとも日本の場合は住民基本台帳制度が盛大に失敗した(これは失敗と断言してよい)前例を踏まえて、今回は慎重に進めているということなのでしょう。

いずれにしても年末調整や確定申告でマイナンバー収集業務が一巡したのを踏まえて、少なくとも税務手続について次年度はもう少し利便性を高めていただきたいと思います。具体的には

  • 行政手続で広く使えるようになること
  • 適切なセキュリティ実装による安全の提供
  • 利用者による追跡性の確保(エストニアと同じ)

は最低限満たしてもらえないと、安心して使うのは難しそうです。利用者の一人として、推移を見守りたいと思います。

エストニアのe-Residencyは国籍問わず誰でも取得できるらしいので、こちらもそろそろトライしてみます。

 

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【書籍】エッセンシャルIFRS 第5版

木曜日 , 30, 3月 2017 【書籍】エッセンシャルIFRS 第5版 はコメントを受け付けていません。

秋葉賢一先生の名著、第5版になっています。

 

 

2016年9月30日までのIFRSの改訂を反映しています。IFRS第16号「リース」の解説も追加されました。

【目次の概要】

  • IFRSとはなにか
  • 概念フレームワーク
  • IFRSの考え方とその背景
  • IFRSによる財務諸表
  • IFRSによる営業活動の会計
  • IFRSによる固定資産の会計
  • IFRSによる金融商品の会計
  • IFRSによる組織再編の会計
  • IFRSによる持分投資の会計

IFRSの解説書籍は大小さまざまなものが出ていますが、決定版となるとこれ一冊しか思いつきません。目次の区分の仕方も当時はユニークでしたが、考え方の大きな区分ごとにすっと頭に入るようになっています。演習問題もついているので復習にも最適。入門者剥けや、リファレンス書籍として手元に置いておきたい一冊です。

余談ですが、「リース」の公開草案は2011年3月11日の公認会計士協会の研修で秋葉先生の講義を拝聴する機会があり、登壇中に会場が大きく揺れたため研修中断、そのまま自然解散になったことを今でも鮮明に覚えております。当時の内容は2010年再ED(公開草案)だったと記憶してますが、震災の記憶に追いやられて詳しい内容は失念しました。(奥付を見ると第1版は2011年6月に刊行されていたようです。震災直後ですね)

IFRS第16号は早期適用だと2018年から可能なので、適用予定企業各社は準備に余念がない状況と思われます。本格適用となる2019年に果たしてスムーズに移行することができるのでしょうか。

 

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【書籍】消費税軽減税率導入とシステム対応

火曜日 , 28, 3月 2017 【書籍】消費税軽減税率導入とシステム対応 はコメントを受け付けていません。

岩谷誠治さんの新刊です。

【目次】
第I章 消費税の基本
第II章 消費税法改正によるシステム改変の経緯
第III章 リバースチャージ方式への対応
第IV章 軽減税率の導入
第V章 会計システムにおける消費税計算
第VI章 会計システムへの影響と対応策
第VII章 電子帳簿とスキャナ保存制度

どの領域も「これ一冊でOK」的な位置づけの書籍があるものですが、消費税の軽減税率についての解説であればこれ一冊でOKです。個人的には第IV章に注目。

第II章 消費税法改正によるシステム改変の経緯

では、消費税導入時から関わりをもってきた著者ならではの味わい深い解説が続きます。

第III章 リバースチャージ方式への対応

では、まとまった解説が少ないリバースチャージについての丁寧な解説が行われています。

第IV章 軽減税率の導入

では、軽減税率についてきっちり解説をまとめあげる著者のモチベーションに脱帽しました。というのも、軽減税率制度自体が消費税の制度設計として歪みや混乱を生むだけで、諸外国でも導入成功しているとは言い難い状況でごり押し的に通された悪法だと考えている私にとって、そのポイントを正面から解説する気にはなかなかなれず、関連領域の情報をまともに集める気にすらならなかったからです。その意味ではどのような制度設計であってもプロとして真摯に取り組む姿勢が本章には随所に見られます。

第V章 会計システムにおける消費税計算
第VI章 会計システムへの影響と対応策

では、今回も平易でわかりやすい解説がなされています。会計システムへの影響や対応策については著者の得意領域ですね。

第VII章 電子帳簿とスキャナ保存制度

では、近年頻繁に改正されているスキャナ保存制度の経緯と改正内容がコンパクトにまとめられています。

消費税のシステム実装について横断的に理解するにはおすすめの一冊といえます。

 

しかし政治的思惑から二転三転する宿命を負っている消費税の制度設計は、無事にインボイス方式(2023年予定)まで到達できるのかどうか。当面の関心事になりそうです。

確定申告シーズンをふりかえる(2017年)

木曜日 , 23, 3月 2017 確定申告シーズンをふりかえる(2017年) はコメントを受け付けていません。

今年も3月15日が過ぎていきました。みなさま期限内に提出完了しましたか?

まだ自分の作業も完全に終わったわけではないですが、今年の確定申告シーズンのふりかえりなどをやってみます。

  • マイナンバー普及の道は遠かった

今年から申告書類にマイナンバーの添付が必要になりました(マイナンバーカードのコピーまたはマイナンバー通知カードのコピー+本人確認書類の写し)。これが実に集まらない集まらない。マイナンバーカード自体は全国での作成率が10%を切っているので作られてないのは当たり前として、通知カード紛失(見当たらない、保管したけど行方不明など)多数発生。当初は書留など追跡可能な手段で郵送してねと依頼するも次第にルーズになり、FAXやスマホ画像などで送ってくる方も多数。いいのかこれでと思いつつ申告資料を仕上げました。

もとよりマイナンバーは普及するのはいろいろ無理がありそうなので(カード作成の煩雑さなど)このような展開も無理もないとはいえ、来年も同じような煩雑な運用になると思うと気が重いです。もともと税や社会保障の手続を効率化できるはずだった制度なのに、なぜこのような状況になっているのでしょうか。

  • 進捗状況の可視化は徹底すべき

一人スクラムをためしてみた」でも書きましたが、今回はスケジュールや作業進捗状況を意識的に可視化するよう心がけました。これはなかなか効果的で、遅々として進まないようにみえる申告作業も少しずつ進むことが実感できます。翌朝になればその日に何をやるかがクリアになるので、このテクニックはかなり有効に感じられます。タスクをより細かく分解することで進捗状況をより細かく管理できることも今回実感できたのは収穫でした。

  • スケジュール調整はやはりうまくいかない

とはいえ、申告作業のように「資料が断片的に集まる」→「申告資料に反映する」→「確認する」→「最初に戻る」のサイクルを繰り返すのは非効率と思いつつも、こればかりは相手あっての作業になるのでなかなか思い通りのスケジュールで進みません。前年度の反省を踏まえて依頼資料一式をあらかじめ準備し、収集状況を管理するのを徹底したとしても結果はあまり変化なし。2月-3月の混沌としたスケジュールとそれにともなうもやもやからは解放されるのは難しそうです。

  • 収集資料をいかに一元管理するかが課題

収集資料が電子データで送られてくるケースが増えてきましたが、それらを一元的に管理する仕組みがまだまだ確立できていません。メールのファイル添付は取りこぼしやすく要注意なので、やりとりするファイルを一定の場所に保管・共有する運用が必要になります。私のオフィスではDropbox/Box/OneDrive/Googleドライブなどのクラウドストレージサービスを使い分けてますが、相手の環境も考慮する必要があるため強要はできません。結果として複数の環境を相手によって使い分けることになります。ツールやサービスの機能も一長一短なのでどれか一つに統一することもできず、このあたりの運用はまだまだ試行錯誤です。

紙で収集した資料もScanSnapでデータ化して一元管理することで、紙ファイルを取り回す手間が大幅に削減できます。こちらの運用はだいぶ定着して参りまして、オフィス内は必要最小限の紙資料しかありません。

  • 期中データをしっかり整備してないと効率化にも限界あり

申告作業では基礎データとなる会計帳簿がきっちり作られていることが前提になるのですが、期中の作業は放置して帳簿作成から実質スタートとなると、どれだけツールやサービスを使って効率化を図ってもどうしても物理的に時間がかかる作業になります。こればかりは期中の帳簿作成作業をいかに平準化し、決算書作成や申告書作成にスムーズに移行できるかどうかがポイントになります。クライアントの協力は欠くことができません。

  • 作業ログの記録が肝要

やりとりが煩雑になるクライアントの場合は作業メモに逐次記録を残すようにしました(テキストファイルなどシンプルな手段を使います)。結果、従前に比べて確認事項や資料の抜け漏れが少なくなりました。普段からbasecampでメールの過去ログは保存していて検索すればある程度情報は拾えるのですが、重要なやりとりとなると能動的に書き残す作業がより有効になります。スタッフへの引き継ぎにも役立ちそうなので、この方法は来年も継続していく予定です。

 

こんなところでしょうか。

なんだかんだとまた来年もどたばたしたシーズンになりそうです。

 

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アンダーセンが復活してるらしいですね

火曜日 , 14, 3月 2017 アンダーセンが復活してるらしいですね はコメントを受け付けていません。

(画像は http://arthurandersenco.com/en/ より)

週刊「経営財務」No.3301の飯田信夫氏による「アーサーアンダーセン復活に立ちはだかるもの」というコラムがあったので、非常に興味深く読みました。

アーサーアンダーセン(アンダーセン、以下AA)は2002年に消滅した大手監査事務所の名称ですが、フランスのビジネスマンが26カ国で近くサービスを開始するとのこと。一方ですでに名称やロゴを利用している事務所があり、権利の主張合戦になっているようです。

http://www.thehindubusinessline.com/companies/arthur-andersen-reenters-announces-reentry-into-india-with-iba-tieup/article9574271.ece

Andersen Taxという名称で税務サービスをやっている事務所もあるようです。こちらはAAとは無関係。

http://economia.icaew.com/en/news/march-2017/legal-fight-over-iconic-anderson-name

そういえば私のLinkedInにも唐突にアナウンスがやってきました。

https://www.linkedin.com/pulse/arthur-andersen-restarts-26-offices-16-countries-5-laffont-r%C3%A9veilhac

AAは自分が最初に働いた事務所で、IT業界に転身する1998年まで6年半ぐらい籍を置いておりました。外資系ファームであることや研修制度の充実に惹かれて入所したものの、その後の大手事務所の合併に飲み込まれていったという歴史があります。当時は「ビッグ8」と呼ばれる8大事務所でした。一定の年代以上の方には懐かしい事務所名が並びます。

  • Arthur Andersen →消滅
  • Coopers and Lybrand →PwC
  • Ernst & Whinney →E&Y
  • Deloitte Haskins & Sells →Deloitte
  • Peat Marwick Mitchell →KPMG
  • Price Waterhouse →PwC
  • Touche Ross →Deloitte
  • Arthur Young →E&Y

その後、合併統合を経て4大事務所(ビッグ4)に収斂していき、現在に至ります。

https://en.wikipedia.org/wiki/Big_Four_accounting_firms

監査事務所「アーサーアンダーセン」とコンサルティング会社「アンダーセンコンサルティング(アクセンチュア)」の訴訟合戦というのも、すでに知る人が少ない過去のニュースですね。

AAは非常に優秀な同僚や先輩に恵まれた職場でした(研修マテリアルや監査調書は英語で参りましたが)。外国人比率や女性の比率も高くて理想的な職場環境ではあったのですが、合併統合のなかで外資系ファームの色が年を経るごとに薄まっていくさまを見るのはなんとも寂しいものがありました。

転職後数年してエンロン事件が起こり、AAは消滅することになりました。すでに別業界に居たので、どこか別世界の出来事のように記憶しています。超大手事務所でもかくも簡単に消滅することを実感したので、昨今の不祥事で名だたる大企業が上場廃止や消滅の憂き目に遭うことについては、ある意味耐性のようなものができたかもしれません。そういえば入所時にもらったAAのロゴ入りレポートパッドがものすごく使い勝手がよかったのにその後紛失してしまってとても残念。

個人的には、すでに終わったAAというブランドを奪い合うのがなんとも滑稽で今更感がありますが、利用できるものはほとぼりが冷めればなんでも利用する、という貪欲さがビジネスには必要なのかもしれません。

AAの成長と没落の帰結を書いた一冊がこちら。邦訳は出ていないようです。

Final Accounting: Ambition, Greed and the Fall of Arthur Andersen

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マイナンバーカードに登録されている電子証明書について

金曜日 , 10, 3月 2017 マイナンバーカードに登録されている電子証明書について はコメントを受け付けていません。

せっかくマイナンバーカードも作ってみたことなので、カードに埋め込まれている電子証明書について少し調べてみました。それにしても公的個人認証サービス広報用ロゴマーク「マイキーくん」ちっともかわいくないですね。(正直)

公的個人認証サービスによる電子証明書

http://www.soumu.go.jp/kojinbango_card/kojinninshou-01.html

説明図表をクリックすると図が拡大「しない」点も不親切。読ませる気はあるのでしょうか。

マイナンバーカードについての自分の理解は

  • カードの有効期限は発行から10年間
  • 電子証明書の有効期限は発行日から5回目の誕生日まで

というなんとも適当なものですが、そのあたりもちゃんと書いてあります。電子証明書は

  • 署名用電子証明書(e-Tax等の電子申請など、文書の真正性を証明する)
  • 利用者証明用電子証明書(ログインした者が利用者本人であることを証明する)

の2種類が登録されており、それぞれに秘密鍵が設定されています。

公的個人認証を使ったオンライン手続についても記述があります。

  1. 目的の行政手続きや民間サービスのページを確認する
  2. パソコンなどの用意
  3. マイナンバーカードへの電子証明書の記録
  4. 公的個人認証を利用したオンライン手続

1から3まではマイナンバーカードを受け取ったときに完了してるので、利用者自身で行うのは4ということになります。

さて、マイナンバーカードに設定するパスワードは4種類あります。

  • 個人番号カード(住民基本台帳用) 数字4桁
  • 券面事項入力補助用 数字4桁
  • 公的個人認証情報の利用者証明用 数字4桁
  • 公的個人認証情報の署名用暗証番号 英数字6-16桁

数字4桁のほうは「利用者用」のもの、英数字16桁のほうは「署名用」のものと使い分けられてるのは理由がわかりましたが、利用者用がさらに3つに分かれている理由はわかりません。なんなのもう。

税理士の場合は「日本税理士会連合会」で発行している電子証明書カードがあり、e-Taxへの送信はこの情報を使っていまのところ不自由は感じておりません。マイナンバーカードで申告を行う日は訪れるのでありましょうか。

 

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添付ファイルの慣習は早く消滅してほしい

金曜日 , 3, 3月 2017 添付ファイルの慣習は早く消滅してほしい はコメントを受け付けていません。

今日も元気だメールが重い。

Gmailで添付できるファイルのサイズが20MBから50MBまで拡大したらしいのですが

 

Gmail、受信可能な添付ファイル容量を50MBにアップ

http://www.itmedia.co.jp/mobile/articles/1703/02/news068.html

 

なんとも「これじゃない」感が漂います。Googleには添付ファイルの機能拡張ではなくて、添付ファイルを代替する機能を追求していただきたかった。(Googleドライブの利用を推奨してはいますね)

メールの添付ファイルは相手の環境に左右されず自由に送信することができるので多くの場面で利用されていますが、以下のデメリットがあります。

  • 添付ファイルのデータが(能動的に削除しない限り)送信側と受信側双方のメールボックスに残る
  • ファイルサイズが大きい添付ファイルはネットワーク帯域を圧迫する
  • 受信側のファイルサイズ制限でうまく送信できないことがある(送信側にはエラーメールが届く)

私も業務上やむをえず添付ファイルを使うことが多く、こうしている今も受信したメールにいろんなファイルが添付されてきていて、削除しない限り残る気持ち悪さと日々向き合っております。送信時はパスワード付き圧縮ファイルを作成したり展開したりしつつ、この慣習はなんとかならないかなと。POP/SMTPプロトコルを使用したメールが確実に到達することが保証できないことは明白なのに、一度世の中に定着した慣習はよほどのきっかけがないと変化することはないようです。共通のファイルを複数者間で更新してるときのストレスは特に高く、添付ファイルの空中戦をしながら遠い目をしています。

ちなみに外資系企業でよく見る「パスワード付き圧縮ファイルとパスワードを別送信する」といった運用は、ネットワークを継続的に監視している限り意味をなさないし、パスワードをメール本文に平文で書いている時点で不合格。今や単なるおまじないのレベルでしょうか。

添付ファイルを代替できる機能としてはクラウドサービスのファイル/フォルダ共有機能があります。私の場合は

を相手によって使い分ける感じですが、これも受信側でアカウントがないとうまく共有できなかったりと使い勝手はいまひとつ。宅ふぁいる便のようなファイル転送サービスも、重要ファイルをやりとりするには抵抗があります。

  • 受信側の設定が特に不要
  • 高度なセキュリティが維持される
  • 一定時間が経過すれば自動的に削除される

といった条件を満たすB2Bのサービスがあれば喜んで使うところなのですが。Boxは惜しいところまでいってますが、完璧とはいいがたい。

「FAX」「固定電話」「メール添付ファイル」は三大世の中から消滅してほしい慣習なのですが、ブレークスルーが起きてくれないものかと思います。

 

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