日本のマイナンバー制度は「失敗」なのか?

火曜日 , 11, 4月 2017 日本のマイナンバー制度は「失敗」なのか? はコメントを受け付けていません

こんなエントリが流れて来ましたので。

http://www.from-estonia-with-love.net/entry/mynumber02

http://www.from-estonia-with-love.net/entry/mynumber02

マイナンバー普及させる気あるのかな

そのマイナポータル、使うのちょっと待った

というエントリでも書きましたが、確かに日本のマイナンバー制度は現状では成功しているとはいいがたい状況です。

 

この方によれば、以下の2点において日本のマイナンバー制度は「失敗」であるとの旨。

  • マイナンバーが機密情報であること
  • 自分でアクセスログを追跡できないこと

マイナンバーが機密情報かというと見解が分かれるところです。IDだけではなにもできず、暗証番号が必要な点は国民IDと同じですが(4つも設定しますけど)、広く公開すべきでないものとした制度設計とアナウンスは間違っていたなと思います。

アクセスログを追跡できない点はそのとおりです。

ともあれ、日本のマイナンバー制度は実質2017年からスタートといった状況なので、人口の違いやスピード感の違いをそのまま比較するのも雑な議論に思えます。一方で

  • 日本 ― 権力が国民を監視する制度
  • エストニア ― 国民が権力を監視する制度

という大意についてはおおむねそうかなと。国民総背番号制という神経逆撫でワードのおかげもあって、積極的に利用するという動機付けにいまひとつつながっていません。もっとも日本の場合は住民基本台帳制度が盛大に失敗した(これは失敗と断言してよい)前例を踏まえて、今回は慎重に進めているということなのでしょう。

いずれにしても年末調整や確定申告でマイナンバー収集業務が一巡したのを踏まえて、少なくとも税務手続について次年度はもう少し利便性を高めていただきたいと思います。具体的には

  • 行政手続で広く使えるようになること
  • 適切なセキュリティ実装による安全の提供
  • 利用者による追跡性の確保(エストニアと同じ)

は最低限満たしてもらえないと、安心して使うのは難しそうです。利用者の一人として、推移を見守りたいと思います。

エストニアのe-Residencyは国籍問わず誰でも取得できるらしいので、こちらもそろそろトライしてみます。

 

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