確定申告シーズン真っ只中です。
職掌柄この季節によく拝見するようになったのが、ふるさと納税の寄附金受領証明書です。寄附内容を証明するために自治体が発行する証明書類なのですが、クライアントからお預かりした書類をちまちま画面で入力したりハサミとノリで切り貼りしたりしながら、これらの書式のあまりの統一性のなさに頭を抱えています。
確定申告で必要になる入力情報は「証明書の日付」「自治体名称」「金額」なので、これらの情報が共通化された書式が全国に展開されていればいいわけで、制度開始時にそれが行われていれば事務処理もスムーズだったはず。そういう対応がなされなかったために、書式自体に各自治体が妙に個性を発揮してしまい、結果的に統一性のないカオスな書式が大量に世の中に流通するという事態になっています。自治体によって「切り取り線のあるなし」「御礼文言のあるなし」「住所記載のあるなし」と見事にバラバラ。これって相当な社会コストの浪費なのではないでしょうか。
そもそも証明情報を自治体から紙で郵送してもらう、というのも前時代的な気がします。そもそもあえて
というまわりくどい手順を取る理由はないはずで、たとえばせっかくマイナンバーがあるのですから(マイナンバー制度の是非はさておき)、たとえば
といった仕組みにすればいいし、もっといえば本人同意のうえで寄附情報を自治体から税務署に直接送信すれば納税者の負担もほとんどなくなるでしょう。紙に依存したフローはいかにも役所らしく、その前提から解放されるのは困難だと想像しますが、検討ぐらいは進めてほしいものです。
ふるさと納税制度それ自体には個人的には懐疑的なので改善を図ってほしいのですが、運用にも大きな改善機会があるように思えます。ともあれ、そんなことを考えつつしばらくはこの不毛な紙とハサミとノリのアナログな作業を続けることになりそうです。
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