年末調整や法定調書の季節も一段落したところで、マイナンバーについてつらつらと振り返ってみました。
今回も従業員や報酬支払先のマイナンバーを収集するという事務作業が多く発生したわけですが、今回の収集方法は大別すると
という形態に分かれました。
マイナンバー管理サービスも普及してきているものの、圧倒的に多いのはやはり「紙で提出」で、安全管理義務を考えると管理もしやすく廃棄も容易なので保守的になってしまうようです。電子データで提出されると管理は慎重になりますし、安全対策に頭を悩ますことになります。
また提出形式は
といったパターンに分かれ、圧倒的に居多いのは「通知カード+写真つき身元確認書類」でした。中には通知カードを紛失していたり身元確認書類を揃えられなかったりといった方もいたりして、終盤になるとどたばたしておりました。
本来マイナンバー制度って各自に付与された番号を使って行政サービスはじめさまざまな利便性を享受できるように設計された制度だったはずですが、現状ではマイナンバーカードの普及率も10%程度とのことで、通知カードと身元確認書類(だいたいは紙で提出)の組み合わせを強制した結果運用が煩雑になってしまいました。さらには「マイナンバー申請用紙」なる指定書式をわざわざ使う企業もあったりしてもはやなんのためのマイナンバーなのかよくわからない状況になってます。こういう紙書類の事務を増やすのが目的の制度ではなかったと思うのですが。わざと使いにくい制度にしているのは普及させたくないという意図でもあるのではないかと勘繰りたくなってしまいます。
個人を識別する番号なので管理はできるだけ厳重にするという一方で行政手続には提出を求めるという矛盾した制度設計はこの際緩和して、利便性を高める方向に倒していかないと、ゆくゆくは住基ネットのように誰も使わなくなり事務的に面倒なだけの仕組みで終わってしまうでしょう。「日本のマイナンバー制度は失敗なのか?」でも書きましたが、
は最低限満たしたうえで、もっと手軽に使えるようにしてもらいたいものです。
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