フランスの大統領交代にともない、早ければ2018年から源泉徴収制度が導入されるとのニュースです。
フランスで初めて「源泉徴収」が始まる衝撃
http://toyokeizai.net/articles/-/171460
日本と異なりフランスでは世帯単位課税のため、源泉徴収の仕組みも日本とまったく同じものとはならないようです。今後のニュースに注目しましょう。
さて、日本においては源泉徴収制度や年末調整に対する批判が昔から現在にいたるまであらゆる場面で見られます。いわゆる天引きや会社まかせの税額計算にすることで、納税者の納税意識を高めないのはまずいという理由が批判の大きなものであるようです。
個人的には「源泉徴収は賛成、年末調整は廃止すべき」という意見です。前者(源泉徴収賛成)については確かに本来納税者自身で行うべきところですが、実務的にこれだけ普及している源泉徴収制度を前面廃止することでの社会的混乱は避けるべきではないかと思うからです。またいきなり個人で納税しろという仕組みになったら納税資金不足で立ち行かなくなる納税者も(私を含め)大量に出てくるでしょう。仮に廃止を進めるのであれば現実的な受け皿を想定しないと混乱を招くだけだと思います。
後者(年末調整廃止)については、やはり税額を確定するのは各個人(または各世帯)が自らやらないと納税の実感はやはり沸かないだろうなという理由に尽きます。家族構成や給与所得以外の所得について、もとより会社に計算を委ねる性質のものではないことは明らかです。クラウド会計のように、個人で税額計算が容易にできる仕組みが広く普及しつつある現代において、行政任せ会社任せの税額計算がある種の既得権として継続することには賛同しかねます。とはいえこちらも長きにわたって定着したことで今更納税者自身の手に戻すのは難しいのかもしれません。
つい悲観的な考えに傾いてしまいますが、世帯課税も含めて今度の制度変更の推移に注目したいと思います。
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