「会計はモノづくりの夢を実現する力です」という冒頭のメッセージを皮切りに、主に製造業向けの会計の活用法を書いた一冊です。著者の方は大手メーカー出身で公認会計士資格を取得、現在は事業会社の経営改善を行なっているというキャリアのようです。
本書は「Planの部」「 Doの部 」「Seeの部」と分かれており、それぞれの章で計画・コストマネージメント・業績評価といった観点から身につけたい会計知識を説明しています。
「利益計画を立てなさいと言われた時に読む章」では、CVP分析の基本から始まり、利益計画を考えるにあたり押さえたい知識をコンパクトにまとめています。「稼ぐ力の管理」という著者独自の視点が盛り込まれており、容易に理解できるようになっています。
「設備投資を計画しなさいと言われた時に読む章」では、NPV/IRR/WACCといった基本的な考え方をベースに、プロジェクトの価値をどのように算出するかを解説します。
終章の「 IoTの時代になるだろうと言われたときの読む章」では「 Price」「Cost」「Volume 」の観点から今後どのような経営をしていくべきか、著者の提言が述べられています。この章は個人的に興味深く読みました。
全体として製造業出身の著者の経験を踏まえ、教科書的な内容からより実践的な説明を試みる箇所が多く、読者の理解に役立つと思われます。数式なども最小限で平易なものばかりなので、気軽に読めますのでおすすめです。
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