「収益認識に関する会計基準」のIT企業への影響とは

火曜日 , 3, 4月 2018 「収益認識に関する会計基準」のIT企業への影響とは はコメントを受け付けていません

企業会計基準委員会より、以下の文書が2018年3月30日に公表されました。

  • 企業会計基準29号「収益認識に関する会計基準」
  • 企業会計基準適用指針第30号「収益認識に関する会計基準の適用指針」

https://www.asb.or.jp/jp/accounting_standards/accounting_standards/y2018/2018-0330.html

いわゆるIFRS15号(顧客との契約から生じる収益)や、Topic 606(Revenue From Contracts With Customers)に対応する形で、我が国の収益認識基準の改訂が行われた形になります。

本基準の適用タイミングは以下のとおりで、最速では2018年12月31日を決算日とする企業で適用することができます。

  • 原則 2021(平成33) 年4 月1 日以後開始する連結会計年度及び事業年度の期首から
  • 早期適用 2018(平成30) 年4 月1 日以後開始する連結会計年度及び事業年度の期首から
  • 2018(平成30) 年12 月31 日に終了する連結会計年度及び事業年度から2019(平成31) 年3 月30 日に終了する連結会計年度及び事業年度までにおける年度末に係る連結財務諸表及び個別財務諸表から

適用初年度にあたっては以下のいずれかの取扱いになるため、業務への影響が大きくなります。

  • 原則的な取扱い 過去の期間のすべてに遡及適用する
  • 適用初年度の期首より前に新たな会計方針を遡及適用した場合の適用初年度の累積的影響額を適用初年度の期首の利益剰余金に加減し、当該期首残高から新たな会計方針を適用する

この基準が適用されることにより、以下の基準は廃止される予定です。

  • 企業会計基準第15 号「工事契約に関する会計基準」
  • 企業会計基準適用指針第18 号「工事契約に関する会計基準の適用指針」
  • 実務対応報告第17 号「ソフトウェア取引の収益の会計処理に関する実務上の取扱い

収益認識の包括的な基準が策定されることで、いわゆる工事進行基準が廃止されることになります。役務提供型で収益認識するビジネスモデルの企業(システムインテグレーター、ソフトウェアベンダー、コンサルティング会社など)には影響が大きいものと予想されます。

収益認識基準は分量がとにかく膨大なので、ポイントを絞り込んで読み解く必要があります。当事務所では特にIT企業向けに「収益認識基準はここだけ読んでおこう」というポイントをまとめました。以下リンクより無料で入手できますので、お気軽にお申込みください。

(別サイトに移動します)

https://docs.google.com/forms/d/e/1FAIpQLSdRwTakfmqf54-C6IJNHjC4oYmb5Hm_S3AA5xDmyQLYfcd1CQ/viewform?usp=sf_link