今回の夏休み課題図書のひとつ。読みやすくて一気に読了してしまいました。
スタートアップ・バブル 愚かな投資家と幼稚な起業家
ニューズウィーク誌などで長年ジャーナリストとして過ごしてきた筆者がリストラをきっかけにITベンチャーに転職し、そこでの体験を中高年ならではの視点で赤裸々に綴ったという、いわゆる暴露本です。NYSEに現在も上場している会社が実名で出てきますし、主要な人物はニックネームで語られますが一部は本名で登場する(理由はエピローグを読むとわかります)、非常に刺激的な内容になっています。結局会社は無事にIPOを迎え、筆者は静かに会社を去ることになるのですが。
本書に実名で登場するITベンチャーの企業風土、役員や従業員の奇矯な振る舞い、中高年で転職することでの戸惑い、結果として味わう蹉跌など、本書からの学びは多くあります。すべてのITベンチャーが本書のような会社ということはないですが、極端に走るとこのようになるというよいケーススタディにもなっています。
リアルな題材なので、本書で書かれている事実関係が今でも閲覧できたりします。
例の会社
https://finance.yahoo.com/quote/hubs?ltr=1
例のプレゼン資料
https://www.hubspot.com/blog/bid/5831/The-HubSpot-Code-Creating-A-Company-We-Love#
例のプレスリリース(本書エピローグを読んでから見ると楽しさ倍増)
本書はさまざまな読者層におすすめですが、読者の属性を「若者」か「中高年」のいずれか、若しくは「経営者」か「従業員」のいずれかに分けるならば、私自身のベンチャー企業の経験(従業員や経営者として)を踏まえておこがましいと思いつつ以下のようなアドバイスができそうです。(ここでは仮の線引きとして「中高年」を30代中盤から40代より上の年齢と定義します)
読者の属性によってさまざまな学びがある一冊ですのでぜひご一読を。
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