法人設立手続のワンストップ化はどこまで本気?

火曜日 , 10, 7月 2018 Leave a comment

週刊「税務通信」NO.3544の記事より。

2018年6月15日に公表された「未来投資戦略2018」では「従業員の社会保険・税手続の簡便化」を検討しているそうです。

https://www.kantei.go.jp/jp/singi/keizaisaisei/pdf/miraitousi2018_zentai.pdf

施策てんこもりといったボリュームで非常に意欲的な内容ですが、興味を惹いたトピックはこちらです。(太字下線は筆者)

①個人向けワンストップサービスの実現
・個別手続のみに着目した従来の「縦割り」型のオンライン化から脱却し、徹底した利用者視点に立ち、多くの国民の生活に大きな影響のある個人向け行政手続等のワンストップ化を強力に推進する。
・具体的には、同じ内容について複数の異なる窓口での手続を強いられている「引越し」や「死亡・相続」については、それぞれ来年度から、「介護」については本年度から順次サービスを開始する。
・自動車保有関係手続に関するワンストップ化を充実・拡充するため、自動車検査証の電子化の推進、引越しワンストップサービス等との連携、軽自動車保有関係手続のワンストップ化に取り組む。
②法人向けワンストップサービスの実現
・世界最高水準の起業環境を実現するために、法人設立手続のオンライン・ワンストップ化を行うこととし、以下の事項に取り組むとともに、定期的に取組状況を検証し、平成33年度目途で見直しを行い、必要な措置を講ずる。
マイナポータルを活用した法人設立手続のオンライン・ワンストップ化に向けて、技術的検討と準備を開始し、登記後の手続のワンストップ化は来年度中、定款認証及び設立登記を含めた全手続のワンストップ化は平成32年度中に実現する。
オンラインによる法人設立登記の24時間以内の処理及び世界最高水準の適正迅速処理を目指した業務の徹底的な電子化の来年度中の実現に向け、法務省は本年度実施予定の登記情報システム更改で業務効率化施策を実施するとともに、登記の審査の効率化等について本年度中に対応策の結論を得る。
-株式会社の設立手続に関し、一定の条件の下、本年度中にテレビ電話等による定款認証を可能とし、平成32年度中に、定款認証及び設立登記のオンライン同時申請を対象に、24時間以内に設立登記が完了する取組を全国実施する。今後とも、より効果的かつ効率的な定款認証手続の実現及び利便性の向上に努める。
-法人設立登記における印鑑届出の任意化の平成32年度中の実現に向けて、法務省は来年中の商業登記法改正に向けて取り組むとともに、商業登記電子証明書の普及促進も含めて、システム改修等の実施に必要な準備を進める。
・規制改革推進会議の「行政手続コスト削減のための基本計画」に基づき、国税・地方税・社会保険の手続について簡素化、オンライン化、ワンストップ化の取組を進める。
・企業が行う従業員の社会保険・税手続について、ライフイベントに伴う手続のオンライン・ワンストップ化を平成32年度から順次開始するとともに、企業と行政機関のデータ連携を実現する方向性を本年度にまとめ、以降順次、実現に向け取り組む。
・法人インフォメーションや法人共通認証基盤を活用した補助金・規制手続のワンストップ化について、来年度中にシステム化に着手し、平成32年度から政府全体で活用できる環境を目指す。

大きく分けて「定款認証」「登記申請」「登記後手続」について順次ワンストップ化を進め、最終的には全手続をワンストップ化するとのこと。定款認証から登記完了まで24時間以内に実現すれば現状の7-14日よりは大幅な前進になりますが、仕組みをうまく構築できるでしょうか。印鑑届出はもはや行政手続のボトルネックでしかないので、電子証明書などによる本人認証を徹底する方向で動いてもらえればと思います。

従業員の社会保険・税手続のワンストップ化においては、企業側と行政側がそれぞれ別々にデータを運用していては機能しないので、データは原則としてクラウドに保存し、一定の要件のもとに本人の了解を得る手続きを経て行政側がデータにアクセスする仕組みを構築するしかないと思いますが、プラットフォームのコスト負担をどう考えるかといった点をはじめ課題がいくつもあります。e-Taxのように行政本位でユーザーの利便性ゼロの仕組みをまた一から作るといった展開は勘弁願いたいところです。

ともあれ、文書を俯瞰する限りはかなり本気度を感じますので、単なる作文ではなく実効性をもった仕組みをもって運用されることを淡く期待したいと思います。

 

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