低生産性の要因を克服すべきか、無視すべきか

水曜日 , 11, 1月 2017 低生産性の要因を克服すべきか、無視すべきか はコメントを受け付けていません

ねこは低生産性でも怒られないのでうらやましいです。

それはさておき、話題になっているので一気読みしてみました。

タイトルは煽り気味ですが内容はいたってまとも。日本の「一人当たり生産性」に注目して、今後の成長に向けた問題提起をする一冊です。ところどころ話が飛躍しているように思える箇所はあるものの、客観的なデータに基づき説得力のある提案を行っています。IT活用に関しても手厳しい意見が続き、耳の痛いところです。

著者の主張は問題提起にとどまらず、改善提案を含めて一連の記事にまとめられています。

 

本社の著者が主張する「日本のビジネス現場の生産性の低さ」は総論において賛同するところではありますが、低生産性のもっとも大きな要因として「新しいことに対する心理的な抵抗感や風土」があるのではないかと思われます(本書でも触れられています)。具体的には「頭の硬い上司」「古い制度設計」「社内の空気」「行政や規制」などがあり、それらを構成する一定人数が、生産性を上げる動きに待ったをかける、足を引っ張るという行為が善意や悪意によってなされることで、全体の生産性が低いほうに収斂していくという肌感覚を覚えます。古い言い回しだと「抵抗勢力」と呼ばれる動きであり、新たな取り組みをする人にとっては「ノイズ」にすぎません。

 

一方で、私の周辺で観察する限りでは、高いモチベーションをもって前向きに物事に取り組んでいる人は決して少なくはありません。仮にそのような人々が存分に力を発揮するには、環境の面で生産性の足を引っ張る要因は「関係者を説得していく」か「制度的になくしていく」か「無視して先に進む」かの方法しかなさそうです。これらの要因を克服するに越したことはないですが、経験的には一定の年齢に達した人は新しい考え方や動きを受け入れにくい思考になるので、「無視して先に進む」のがもっとも効率的な方法に思えます。行政や規則であればルールを変えるのにパワーが必要ですが、無視してどんどん動くほうがより容易でしょう。

 

これから新しいことや前に進むことを志す人は、このような一定割合の「ノイズ」にひきずられることなく目標に向かっていく気概が求められると思います。私自身も、これまでのやり方にとらわれることなく新たな仕事のスタイルをどんどん取り入れていくべきと思わされる一冊になりました。

 

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